決算サマリー
| 項目 | 当中間期実績 | 前年同期 | 増減率 | 通期会社予想 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 6.7616億円 | 7.62831億円 | 11.4%減 | 16.63億円 |
| 営業利益 | 0.99235億円 | 2.29987億円 | 56.9%減 | 3.22億円 |
| 経常利益 | 1.29740億円 | 1.16842億円 | 11.0%増 | 3.23億円 |
| 純利益 | 1.02813億円 | 1.09609億円 | 6.2%減 | 2.10億円 |
| EPS | 27.79円 | 29.62円 | 6.2%減 | 56.87円 |
通期予想は2026年3月17日公表値から変更されていません。中間期の通期進捗率は売上高40.6%、営業利益30.8%、経常利益40.2%、純利益49.0%です。船舶案件の成約時期や回収時期で期間ごとの振れが大きくなり得るため、単純な進捗率だけで判断しません。
セグメント
| 事業 | 売上高 | 前年同期比 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| コミッション事業 | 2.84711億円 | 27.5%減 | 1.31862億円 |
| アセット事業 | 3.91449億円 | 5.7%増 | 0.45723億円 |
| 合計 | 6.76160億円 | 11.4%減 | 1.77585億円 |
コミッション事業は、船舶仲介サービスが前年同期を上回った一方、オペレーティングリースが案件の成約時期・件数の影響で下回りました。アセット事業は、船舶融資残高の変動があったものの、子会社型ファイナンスリースで既存案件からの収益計上が続き、売上高は増加しています。
セグメント利益の合計は1.77585億円ですが、連結営業利益は0.99235億円です。差額0.78350億円は、セグメント間取引消去額と報告セグメントに配分していない全社共通費用であり、事業別利益をそのまま連結利益とみなさない点に注意が必要です。
財務安全性
中間期末の総資産は108.61767億円、純資産は14.76308億円、自己資本比率は13.6%でした。前期末から総資産は3.29452億円減少し、リース債権が7.06578億円、営業貸付金が1.46457億円減少する一方、現金及び預金は5.23958億円増加しました。
営業キャッシュ・フローは15.39399億円、投資CFは0.71573億円、財務CFは△10.13517億円、現金及び現金同等物の期末残高は13.53498億円でした。長期借入金の返済10.08513億円などで財務CFはマイナスですが、回収による営業CFがそれを上回っています。
定量評価
| 指標 | 今回の確認値 | 読み方 |
|---|---|---|
| 営業利益率 | 14.7% | 売上減でも利益は確保しましたが、前年同期の30.1%から低下しました。 |
| 自己資本比率 | 13.6% | 前期末12.2%から上昇しました。借入・案件残高と一体で確認します。 |
| EPS | 27.79円 | 前年同期29.62円から低下しました。 |
| 営業CF | 15.39399億円 | 回収による資金流入が利益を上回りました。継続性は案件の組成・回収で確認します。 |
ROIC・PERは、今回の決算短信だけでは投下資本や株価の時点情報がそろわないため算定を保留します。
ポジティブ要因
営業CFと現金の増加
リース債権や営業貸付金の回収が進み、営業CFは前年同期の△49.85384億円から15.39399億円へ改善しました。現金及び現金同等物も前年同期末比で増加しています。
アセット事業の売上増
アセット事業は売上高3.91449億円で5.7%増となりました。既存の子会社型ファイナンスリースが収益を支え、手数料案件だけに依存しない収益源が確認できます。
経常利益の増加
前年同期に計上した持分法による投資損失や関係会社株式売却益の剥落、為替差益などにより、経常利益は11.0%増でした。営業利益との動きが異なるため、営業外要因を分けて読む必要があります。
リスク要因
コミッション事業の案件成約時期
船舶仲介やオペレーティングリースは案件の成約時期・件数で売上が振れます。中間期はコミッション事業の売上高が27.5%減、セグメント利益が45.6%減となりました。
資産価値と金利・海運市況
アセット事業は船舶融資とリース資産を使うため、船価、船種ごとの需給、金利、借り手の信用力が案件収益と回収に影響します。会社資料でも一部船種・船齢で船価や取引価格が高水準とされ、案件の資産価値評価が重要です。
借入返済と案件組成のバランス
長期借入金は前期末から7.08710億円減少し、財務CFは10.13517億円のマイナスでした。借入返済が進むことは財務負担の軽減材料ですが、新規案件の組成と運転資金の確保を両立できるかを見ます。
株価への示唆
売上高と営業利益は減少しましたが、経常利益と営業CFは改善しています。短期的には営業利益の減益が重く見られやすい一方、回収の進展とアセット事業の売上増は確認材料です。TOKYO PRO Market銘柄であり、株価・売買高を含む市場評価は決算数値だけで判断せず、案件開示と流動性を合わせて確認します。
今期の総括
中間期は減収・営業減益・純利益減でしたが、経常利益は増加し、営業CFは大幅なプラスに転じました。収益の弱さと資金回収の強さが同居した決算です。今後は、コミッション事業の成約回復、アセット事業の既存案件収益、新規案件の組成、借入返済後の資金余力を同時に確認します。
来期見通し
通期予想は売上高16.63億円、営業利益3.22億円、経常利益3.23億円、純利益2.10億円、EPS56.87円です。配当予想は中間0円、期末0円、年間0円で、成長投資と内部留保を優先する会社方針に沿っています。中間期の利益進捗より、下期の案件成約と収益計上の実現が通期達成の条件です。
総合判断
総合判断は中立です。営業利益とEPSは減少しましたが、経常利益は増加し、営業CFは15.39億円のプラスでした。手数料案件の成約時期と船舶ファイナンスの回収・組成に業績が左右されるため、次回はコミッション事業の回復と、営業CFが一時的な回収だけでなく継続的な収益力につながるかを確認します。
出典
本記事は、日本マリタイムバンク株式会社が2026年9月15日に公表した「2027年1月期 中間決算短信〔日本基準〕(連結)」を基に作成しています。