日本ゼオン 4205 2027年3月期第1四半期決算 売上高1094.66億円(+6.2%) 営業利益: 163億円 売上高: 1094.66億円 リスク: 原材料・エネルギー価格 為替変動 kabutrack.com

決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上高1094.66億円1030.83億円+6.2%4050億円27.0%
営業利益163億円121.29億円+34.4%380億円42.9%
経常利益188.49億円119.73億円+57.4%370億円50.9%
純利益127.11億円75.06億円+69.4%360億円35.3%
EPS66.43円38.06円+74.5%185.51円35.8%

会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。

セグメント

セグメント売上高前年同期比セグメント利益前年同期比
エラストマー素材581.61億円+0.2%55.46億円+31.2%
高機能材料338.39億円+15.5%101.09億円+36.8%
その他184.95億円+12.9%9.64億円-4.5%

エラストマー素材は原料調達量に合わせて汎用ゴムの輸出販売を抑えたが、価格改定と円安で増益となった。高機能材料では半導体向けシクロオレフィンポリマー、光学フィルム、電池材料、電子材料が伸び、全社増益をけん引した。セグメント利益合計166.19億円から全社費用など3.18億円を調整し、連結営業利益163.00億円となる。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率+74.5%当期EPSと前年同期EPSEPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。
ROE非開示決算短信の収益性指標自己資本に対する利益効率を確認する材料です。
ROIC直接記載なし営業利益・総資産など投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。
PER推移市場データ未反映過去レンジとの比較は未実施株価評価では別途市場データの確認が必要です。

営業利益率は14.9%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。

ポジティブ要因

営業利益の変化

営業利益は163億円、前年比は+34.4%です。増益そのものより、営業利益率14.9%が次の四半期でも保てるかが見られます。

売上規模の確認

売上高は1094.66億円、前年比は+6.2%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。

財務基盤

自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は65.5%、純資産は3958.11億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。

リスク要因

原料調達と供給制約

中東情勢悪化を受け、合成ゴムでは主原料の調達量に合わせた生産・販売管理を行っている。供給制約が長引けば数量減が価格改定効果を上回る可能性がある。

販売数量・コスト前提の変動

次期または通期予想は売上高4050億円、営業利益380億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。

市場評価の変動可能性

決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。

財務安全性

財務安全性では、総資産6033.20億円、純資産3958.11億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率65.5%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。

業界動向との関連

合成ゴムは自動車生産と原料市況、高機能材料は半導体・ディスプレイ・蓄電池投資の影響を受ける。足元ではAI関連投資と欧州BEV需要が追い風だが、合成香料では競争激化が利益を圧迫している。

株価への示唆

中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。

今期の総括

今期は売上高1094.66億円(+6.2%)、営業利益163億円(+34.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益127.11億円(+69.4%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。

来期見通し

来期または通期見通しでは、売上高4050億円、営業利益380億円、経常利益370億円、純利益360億円、EPS185.51円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。

総合判断

総合判断は強気。高機能材料の利益成長とエラストマー素材の採算改善により、通期営業利益計画に対する進捗は42.9%に達した。次回は原料供給制約、高機能材料の需要持続、据え置かれた通期計画の修正有無を確認する。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。

  • 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、日ゼオン、開示日: 2026-07-29