決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 524.99億円 | 435.51億円 | +20.5% | 1030億円 | 51.0% |
| 営業利益 | 53.18億円 | 35.27億円 | +50.8% | 85億円 | 62.6% |
| 経常利益 | 54.47億円 | 34.93億円 | +55.9% | 87億円 | 62.6% |
| 純利益 | 37.34億円 | 25.52億円 | +46.3% | 57.50億円 | 64.9% |
| EPS | 330.46円 | 222.91円 | +48.2% | 508.63円 | 65.0% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
合成樹脂事業は売上高352.53億円(前年同期比33.5%増)、営業利益49.10億円(同71.2%増)でした。新規材料事業は売上高98.92億円、営業利益15.96億円と増収増益です。一方、建材事業は売上高63.73億円、営業利益0.53億円となり、高瀬工場の試運転費用などで利益が87.3%減少しました。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +48.2% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は10.1%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
営業利益は53.18億円、前年比は+50.8%です。増益そのものより、営業利益率10.1%が次の四半期でも保てるかが見られます。
売上規模の確認
売上高は524.99億円、前年比は+20.5%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は53.4%、純資産は654.40億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業CFは30.73億円の黒字でしたが、前年同期の77.24億円から減少しました。売上債権が39.55億円、棚卸資産が18.03億円増えたことが資金を押し下げています。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高1030億円、営業利益85億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
財務安全性
総資産は1,225.01億円、純資産は654.40億円、自己資本比率は53.4%です。子会社取得と設備投資により投資CFは82.55億円の赤字、借入金の増加により財務CFは103.84億円の黒字でした。現金同等物残高は134.08億円です。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高524.99億円(+20.5%)、営業利益53.18億円(+50.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益37.34億円(+46.3%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
修正後の通期予想は売上高1,030億円、営業利益85億円、経常利益87億円、純利益57.50億円です。フジコーの連結効果を織り込む一方、建材事業の収益回復と借入増加後の資金負担が次の確認点です。
総合判断
総合判断は中立。判断の根拠は、売上高524.99億円、営業利益53.18億円、純利益37.34億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」、大倉工、開示日: 2026-07-30