決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 収益 | 7173.52億円 | 6839.04億円 | +4.9% | 14915.00億円 | 48.1% |
| 売上総利益 | 5830.68億円 | 5619.94億円 | +3.7% | 12302.00億円 | 47.4% |
| 調整後営業利益 | 719.82億円 | 675.26億円 | +6.6% | 1663.00億円 | 43.3% |
| 営業利益 | 838.69億円 | -365.45億円 | 黒字転換 | 1526.00億円 | 55.0% |
| 親会社所有者帰属利益 | 462.77億円 | -736.47億円 | 黒字転換 | 697.00億円 | 66.4% |
| EPS | 178.27円 | -283.72円 | 黒字転換 | 268.50円 | 66.4% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
| 報告セグメント | 売上総利益 | 前年同期比 | 調整後営業利益 |
|---|---|---|---|
| 日本 | 2359.36億円 | -0.3% | 604.09億円 |
| Americas | 1561.29億円 | +1.5% | 293.98億円 |
| EMEA | 1379.52億円 | +13.7% | 121.43億円 |
| APAC | 495.54億円 | +5.1% | -32.13億円 |
日本はCARTA HOLDINGSの持分法適用会社化で売上総利益が微減となったが、販管費削減により調整後営業利益は3.6%増えた。EMEAもコスト削減で大幅増益となった一方、Americasは11.8%減益、APACは赤字が継続しており、海外再建の濃淡が残る。
財務安全性
財務安全性では、総資産30661.58億円、純資産4857.30億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率13.8%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF951.15億円、投資CF121.91億円、財務CF-555.64億円、現金及び現金同等物の期末残高3663.63億円です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +17.9% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
調整後オペレーティング・マージンは12.3%(前年同期12.0%)へ改善した。営業利益と親会社所有者帰属利益はいずれも黒字へ転換し、営業CFも951.15億円のプラスとなった。
ポジティブ要因
営業利益の変化
調整後営業利益は719.82億円、前年同期比6.6%増となり、オペレーティング・マージンは12.3%へ0.3ポイント改善した。法定の営業利益も838.69億円と、前年同期の365.45億円の赤字から黒字へ転換した。
売上規模の確認
収益は7173.52億円、前年同期比4.9%増。営業CFは951.15億円を確保しており、会計上の黒字転換にキャッシュの裏付けも伴った。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は13.8%、純資産は4857.30億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは951.15億円です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
通期予想は収益14915.00億円、調整後営業利益1663.00億円、営業利益1526.00億円です。中間期の進捗率はそれぞれ48.1%、43.3%、55.0%で、調整後利益の達成には下期の改善が必要です。Americasの減益とAPACの赤字が続けば、計画の余裕は薄くなります。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
中間期は収益7173.52億円、調整後営業利益719.82億円、営業利益838.69億円、親会社所有者帰属利益462.77億円となった。前年同期の最終赤字からの反転は大きいが、利益改善は日本・EMEAが先行し、AmericasとAPACには課題が残る。
来期見通し
2026年12月期の会社予想は、収益14915.00億円、調整後営業利益1663.00億円、営業利益1526.00億円、親会社所有者帰属利益697.00億円、EPS268.50円で据え置かれた。下期は海外事業の採算改善と、調整後営業利益の進捗加速を確認したい。
総合判断
総合判断は中立。営業・最終損益の黒字転換と営業CFの確保は明確な改善材料だが、調整後営業利益の通期進捗は43.3%にとどまる。日本・EMEAの改善をAmericasとAPACへ広げられるかが、下期の評価を左右する。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2026年12月期第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」、電通グループ、開示日: 2026-08-14