決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上収益586.82億円473.94億円+23.8%700.00億円-
営業利益144.20億円108.04億円+33.5%172.00億円-
純利益105.38億円77.81億円+35.4%124.20億円-
EPS46.42円33.45円+38.8%55.08円-

全サービスの売上拡大と売上総利益率改善で、利益成長が売上成長を上回った。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率+38.8%前年同期比利益成長は力強い
ROIC開示なし-IFRSベースの短信にROIC開示はない
PER推移想定14-18倍補足市場データ未取得のためシナリオ前提高成長IT企業としては中位圏を想定

高収益と高成長を両立しているが、市場評価は来期成長の持続性確認が前提になる。

ポジティブ要因

システムインテグレーションが大きく伸びた

システムインテグレーション売上収益は337.58億円で前期比28.3%増となり、全体成長の中心になった。

運用サービスも堅調だった

運用サービス売上収益は140.93億円で前期比4.2%増、利益率も41.4%へ改善し、安定収益源として機能した。

戦略/DXコンサルが拡大した

戦略/DXコンサル売上収益は108.16億円で前期比44.0%増となり、上流案件需要の強さが確認できた。

現金創出力が強い

営業CFは106.89億円の黒字で、成長投資と配当を実行しながら期末現金同等物は144.43億円を確保した。

リスク要因

採用と研修コストが増えている

新卒採用者数の増加、中途採用強化、研修投資で販管費は31.3%増となっており、人材投資負担は大きい。

研究開発費も拡大している

研究開発費は15.72億円で前期比6.6%増となり、将来投資が短期利益率を押し下げる可能性がある。

自己株式取得で自己資本比率はやや低下した

親会社所有者帰属持分比率は58.4%で前期の61.8%から低下しており、株主還元と成長投資の配分管理が必要である。

金融IT需要の景気感応度は残る

金融機関や大企業のDX投資が鈍る場合、上流コンサルや大型案件の積み上がりが弱まる可能性がある。

財務安全性

親会社所有者帰属持分比率は58.4%で高く、営業CFも106.89億円の黒字である。財務CFは配当や自己株取得でマイナスだが、現金同等物は144.43億円あるため、財務安全性は十分確保されている。

業界動向との関連

金融・大企業向けDX投資は、生成AI活用や基幹システム刷新需要を背景に拡大が続いている。シンプレクスHDは金融ITの実装力と上流コンサルの両輪を持ち、需要取り込みのポジションが強い。

株価への示唆

前提は2027年3月期会社予想EPS55.08円である。補足市場データが未取得のため、ここでは高収益IT企業の評価レンジを参考に想定PERを14倍から18倍で置く。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。

シナリオ想定PER予想EPS理論株価
弱気14倍55.08円771円
中立16倍55.08円881円
強気18倍55.08円991円

大型案件の継続受注と運用収益の積み上がりが続く場合は強気シナリオに近づく可能性がある。一方で、人材投資負担が先行し利益率が鈍化する場合は弱気シナリオを意識しやすい。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

今期の総括

2026年3月期は、全サービス形態の拡大で売上・利益ともに最高水準を更新し、成長の質も高かった。

来期見通し

会社は2027年3月期に売上収益700.00億円、営業利益172.00億円、税引前利益169.43億円、純利益124.20億円、EPS55.08円を計画する。引き続き高成長計画だが、人材採用と研究開発を進めながら収益性を維持できるかが前提となる。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

総合判断

総合判断は中立である。高成長と高収益は明確だが、評価の上振れには来期も同水準の利益率を保てることの確認が必要だからである。次は人材投資の回収度合いが注目点になる。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。

  • 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)、2026年4月30日開示
  • 株価への示唆は会社予想EPSとシナリオPER仮定に基づく試算です。