ジェイウェイブ 証券コード 437A|2026年3月期 派遣契約増で営業利益18.9%増 本業の回復 ✓ 売上高128.19億円、6.0%増 ✓ 営業利益2.27億円、18.9%増 ✓ 営業CFは2.37億円へ拡大 評価を抑える要因 ⚠ 純利益は31.3%減 ⚠ 営業利益率は1.8% ⚠ 自己資本比率は26.7% 次期計画:売上132.06億円、営業利益2.68億円 kabutrack.com

決算サマリー

項目2026年3月期2025年3月期増減率2027年3月期計画
売上高128.19億円120.91億円+6.0%132.06億円
営業利益2.27億円1.91億円+18.9%2.68億円
経常利益2.23億円1.89億円+18.3%2.62億円
当期純利益1.48億円2.15億円-31.3%1.70億円
EPS148.00円215.56円-31.3%170.45円

主要顧客への派遣充足率が上がり、売上高と営業利益は回復した。純利益の減少は、前期に計上した寄付金収入1.00億円がなくなった反動が中心で、本業の営業利益は増えている。

セグメント

同社は人材サービス事業の単一セグメントである。発行者情報では、顧客との契約から生じる収益をサービス別に開示している。

サービス区分2026年3月期前期増減率売上構成比
派遣サービス126.64億円119.54億円+5.9%98.8%
紹介手数料1.43億円1.24億円+15.7%1.1%
その他0.12億円0.13億円-6.5%0.1%

派遣サービスが売上の約99%を占める。紹介手数料は二桁増となったが、利益はサービス別に開示されておらず、全社営業利益2.27億円を各サービスへ配分することはできない。

財務安全性

総資産は28.45億円、純資産は7.58億円、自己資本比率は26.7%で、前期の26.8%とほぼ同水準だった。営業CFは2.37億円、投資CFは△1.13億円、財務CFは△0.26億円で、フリーCFは1.24億円の黒字。現金同等物は9.63億円へ増えたが、売上債権も1.63億円増加しており、回収ペースを継続して見る必要がある。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率-31.3%215.56円から148.00円前期特別利益の反動
ROE20.9%前期39.4%利益正常化で低下
ROIC開示なし-投下資本の公式開示なし
PER6.9倍2026年3月期発行者情報上場履歴が短く推移比較は困難

営業利益率は1.6%から1.8%へ改善した。ただし水準はまだ薄く、採用費や先行投資の増加を吸収できる余白は大きくない。

ポジティブ要因

派遣契約の増加

主要顧客からの受注に対する充足率が上がり、派遣契約件数は当初予想を上回った。派遣サービス売上は7.09億円増えた。

営業利益とキャッシュの改善

営業利益は18.9%増、営業CFは前期の1.50億円から2.37億円へ拡大した。投資後もフリーCFは黒字を保った。

次期も増益計画

2027年3月期は営業利益2.68億円、前期比17.9%増を計画する。紹介手数料の伸びと海外人材領域の拡大も収益源の候補となる。

リスク要因

利益率の薄さ

営業利益率は1.8%である。派遣スタッフの賃金、採用広告費、本社人件費が売上の伸びを上回れば、利益計画は崩れやすい。

新規事業の先行負担

日本語学校の教育施設などに投資し、有形固定資産取得は1.11億円となった。学校運営が人材供給や利益へ結び付くまで時間差がある。

顧客と業種への集中

製造業向け派遣が主力で、顧客の生産調整や直接雇用化の影響を受ける。単一セグメントのため、他事業による利益の補完は限定的である。

業界動向との関連

労働人口の減少は外部人材需要を押し上げるが、人材会社同士の採用競争も強める。ジェイウェイブは国内採用に加えて特定技能人材や日本語学校へ投資しており、人数の確保だけでなく、教育コストを回収できる単価と定着率が問われる。

株価への示唆

発行者情報に記載されたPERは6.9倍だが、上場は2025年10月で過去レンジが短く、PRO Marketの売買流動性も考慮が必要である。2027年3月期の会社予想EPS170.45円を実現するには、派遣契約の増加を維持しながら営業利益率を2.0%程度へ高める必要がある。数字は回復したが、薄い利益率を市場がどこまで信用するかが先になる。

今期の総括

2026年3月期は派遣契約の増加で増収・営業増益となり、営業CFも伸びた。純利益は特別利益の反動で減ったものの、本業の方向は改善している。営業利益率1.8%はなお課題として残る。

来期見通し

2027年3月期は売上高132.06億円、営業利益2.68億円、経常利益2.62億円、当期純利益1.70億円を計画する。年間配当予想は34円。海外人材の採用・定着支援と日本語学校の基盤構築を進めるため、先行投資をこなしながら営業利益を17.9%増やす計画は、採用効率と派遣単価の管理が前提となる。

総合判断

総合判断は中立である。派遣サービスの回復、営業増益、フリーCF黒字は評価できるが、自己資本比率26.7%と営業利益率1.8%には余裕がない。次期は営業利益率の改善と日本語学校投資の収益化を見極めたい。

出典

  • 株式会社ジェイウェイブ「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」(2026年5月15日)
  • 株式会社ジェイウェイブ「業績予想の修正に関するお知らせ」(2026年4月17日)
  • 株式会社ジェイウェイブ「2026年3月期 発行者情報」(2026年6月25日)
  • 株式会社ジェイウェイブ IR情報