1. 投資判断サマリー

QPSホールディングスは、小型SAR衛星の開発・運用と観測データ販売を担うQPS研究所の持株会社です。衛星配備による売上拡大と、先行投資を吸収する営業黒字化・資金繰りを分けて評価します。

項目内容
更新日2026年8月4日
総合評価★★☆☆☆(弱気)
一言サマリー2026年5月期は営業損失8.33億円。補助金などで最終黒字を確保しましたが、衛星投資の資金負担と営業黒字化が残る課題です。

2. 投資評価(星評価・レーダーチャート)

投資評価は、成長性、収益性、財務、配当、安定性の5軸で整理します。星評価は直近の開示情報、プロフィール、還元情報をもとにした確認用の目安です。

評価軸星評価コメント
成長性★★★☆☆2027年5月期は売上高100億円を計画。衛星データ販売の立ち上がりが前提です。
収益性★★☆☆☆前期は営業損失8.33億円で、純利益は補助金など営業外収益への依存が大きい状態です。
財務★★★☆☆自己資本比率74.6%の一方、投資CFは194.97億円の支出でした。
配当★☆☆☆☆2027年5月期も無配予想で、資金は衛星配備を優先しています。
安定性★☆☆☆☆打ち上げ・製造・案件検収・資金調達の進捗で業績と資金繰りが振れます。
時間軸見方
短期1年内返済予定借入金12.50億円を含む流動性と四半期の資金消費を確認します。
中期売上高100億円・営業利益3億円計画への進捗と商用データ販売の粗利を見ます。
長期コンステレーションの観測頻度が継続収入と営業キャッシュ創出へ結び付くかを確認します。
成長性 収益性 財務 配当 安定性 5軸評価:成長性3、収益性2、財務3、配当1、安定性1 kabutrack.com

3. 最新決算サマリー

基準にした開示情報は、2026年8月4日の訂正を反映した2026年5月期通期決算です。損益数値に変更はありませんが、長期借入金12.50億円が1年内返済予定へ区分変更されました。

項目直近実績前年比・変化会社予想・補足見方
売上高38.03億円非開示100億円増加率と利益へのつながりを確認します。
営業利益-8.33億円非開示3億円利益成長の質と一時要因を確認します。
経常利益11.66億円非開示20億円利益成長の質と一時要因を確認します。
純利益11.52億円非開示19億円利益成長の質と一時要因を確認します。
EPS23.24円非開示34.01円1株利益の伸びと希薄化要因を確認します。

数字だけを見ると、売上は「38.03億円(非開示)」、利益は「-8.33億円(非開示)」です。ここで大事なのは、見出しの増減をそのまま評価せず、収益の質を確認することです。2027年5月期は売上高100億円、営業利益3億円、経常利益20億円、純利益19億円、EPS34.01円を計画しています。

4. 今回の決算で注目するポイント

今回の決算は、見出しの増減だけでなく、収益の質と財務余力を分けて見る必要があります。

確認点今回の状況判断材料
売上の方向38.03億円運用衛星9機を商用データ販売へつなげられるかを確認します。
利益の方向営業損失8.33億円補助金収入17.28億円を除く本業の採算が重要です。
キャッシュ営業CF5.26億円の支出、投資CF194.97億円の支出衛星投資と定期預金への資金配分、追加調達の必要性を見ます。
財務安全性自己資本比率74.6%、訂正後の流動負債57.06億円高い自己資本比率だけでなく短期返済負担を確認します。
会社予想売上高100億円、営業利益3億円売上2.6倍化と営業黒字化を同時に達成できるかが焦点です。

5. 投資判断のポイント

このセクションは、次回以降の決算でも繰り返し見るポイントです。単発の好材料より、同じ指標が継続して改善しているかを重視します。

論点なぜ見るか確認したい変化
売上と利益の連動増収でも利益率が下がる場合、評価は強まりにくくなります。営業利益率と粗利率の方向を確認する
キャッシュ創出会計上の利益だけでは、投資や運転資金の負担を見落とします。営業CFと投資CFのバランスを見る
会社計画会社予想は前提条件に左右されます。進捗率、修正有無、前提の現実性を追う
株主還元2027年5月期の年間予想は0.00円です。会社予想利益水準と営業CFに支えられているか

6. リスク要因

リスク内容
衛星配備製造・打ち上げの遅延や衛星トラブルは観測能力と売上計上時期を遅らせます。
商用化官公庁・民間案件の受注や検収が計画を下回ると、営業黒字化が遠のきます。
資金繰り営業・投資CFの支出が続く場合、追加の借入・増資や補助金への依存が高まります。
継続企業会社は継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象または状況があると開示しています。

7. 総合評価

ここでは売買判断ではなく、QPSホールディングスを見るための評価軸を整理します。

観点評価
強み運用衛星は9機へ増え、自己資本比率は74.6%です。
懸念点営業赤字と大規模な投資支出が続き、訂正後は短期返済負担も明確になりました。
次に見るポイント商用データ売上、営業損益、四半期の資金消費、衛星配備の順に確認します。

総合評価は弱気です。売上高100億円計画には成長余地がある一方、前期の営業損失8.33億円と営業・投資CFの資金流出は重い状況です。衛星配備の進捗より先に、商用売上で営業黒字と現金創出を示せるかを確認します。

出典

  • QPSホールディングス「2026年5月期決算短信〔日本基準〕(連結)」、2026年7月14日(2026年8月4日訂正反映)
  • QPSホールディングス 会社概要・株式情報
  • 配当情報: 会社開示に基づく配当実績・予想

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