決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 96.52億円 | 96.72億円 | -0.2% | 420億円 | 23.0% |
| 営業利益 | 8.12億円 | 10.09億円 | -19.5% | 45億円 | 18.0% |
| 経常利益 | 8.52億円 | 10.12億円 | -15.8% | 45億円 | 18.9% |
| 純利益 | 5.05億円 | 6.22億円 | -18.8% | 30億円 | 16.8% |
| EPS | 14.88円 | 18.51円 | -19.6% | 88.29円 | 16.9% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
同社は単一セグメントのため、サービス別には売上高と売上総利益を開示しています。
| サービス | 売上高 | 前年同期比 | 売上総利益 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| システムマネジメント | 38.01億円 | -2.0% | 9.57億円 | +1.7% |
| アプリケーション開発 | 34.27億円 | -1.1% | 10.02億円 | 横ばい |
| ITインフラ | 12.14億円 | +4.6% | 3.19億円 | +6.7% |
| サイバーセキュリティ | 6.89億円 | +5.2% | 1.81億円 | -8.4% |
| コンサルティング・教育 | 3.65億円 | +9.7% | 1.10億円 | -15.9% |
ITインフラ、サイバーセキュリティ、コンサルティング・教育は増収でしたが、粗利率は後二者で低下しました。全社では売上総利益が0.7%増えた一方、ベースアップや人材育成・確保への戦略投資で営業減益となりました。
財務安全性
財務安全性では、総資産219.37億円、純資産150.20億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率68.2%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | -18.2% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は8.4%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
売上総利益は0.7%増え、粗利率も26.7%から27.0%へ改善しました。先行投資を除くサービス採算は大きく崩れていません。
売上規模の確認
ITインフラは製造・エネルギー・運輸向けの新規案件で4.6%増収となり、注力領域の需要は確認できます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は68.2%、純資産は150.20億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
人材への先行投資が売上成長へ結び付くまでには時間差があります。サイバーセキュリティとコンサルティング・教育は増収でも売上総利益が減っており、案件構成と稼働率の改善が必要です。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
業界動向との関連
企業のクラウド移行やサイバー対策需要は追い風です。一方、IT人材不足は受注機会であると同時に、人件費と採用・教育費を押し上げる要因でもあります。
株価への示唆
第1四半期の営業利益進捗率は16.7%にとどまります。先行投資が計画どおりなら下期回収も考えられますが、次の四半期で売上成長と粗利改善を確認したい局面です。
今期の総括
粗利率は改善したものの、人材投資の増加で営業利益は約2割減りました。注力サービスの増収は前向きですが、現段階では投資効果より費用が先に表れています。
来期見通し
通期予想は据え置きで、売上高420億円、営業利益45億円、純利益30億円、EPS88.29円を見込みます。のれん償却前EBITDAは48.50億円、同EPSは92.91円です。
総合判断
総合判断は中立です。注力領域の需要と粗利率改善は評価できますが、営業利益の低い進捗を踏まえると、先行投資の回収が見えるまで慎重に確認する必要があります。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、IDホールディングス、開示日: 2026-07-31