決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 362.83億円 | 338.59億円 | +7.2% | 720億円 | 50.4% |
| 営業利益 | 48.82億円 | 43.94億円 | +11.1% | 90億円 | 54.2% |
| 経常利益 | 61.22億円 | 53.65億円 | +14.1% | 95億円 | 64.4% |
| 純利益 | 38.27億円 | 30.03億円 | +27.4% | 53億円 | 72.2% |
| EPS | 284.28円 | 219.08円 | +29.8% | 393.73円 | 72.2% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
報告セグメントは、日本、北米、中国、アジア、欧州の5地域です。数値は外部顧客への売上高とセグメント利益で、単位は百万円です。
| 地域 | 外部売上高 | 前年同期 | セグメント利益 | 前年同期 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 9,087 | 9,580 | 1,895 | 1,536 |
| 北米 | 7,794 | 6,365 | 729 | 578 |
| 中国 | 5,040 | 5,333 | 660 | 685 |
| アジア | 10,859 | 9,477 | 1,957 | 1,538 |
| 欧州 | 3,500 | 3,103 | 23 | 38 |
売上高の前年差が最も大きかったのは北米(+1,429百万円)、セグメント利益ではアジア(+419百万円)でした。地域間取引の消去・未実現損益などの調整があるため、セグメント利益合計と連結営業利益は一致しない場合があります。
各地域の外部売上高は百万円単位で表示されるため、表示額合計と連結売上高には端数処理による3百万円の差があります。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +29.8% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は13.5%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
営業利益は48.82億円、前年比は+11.1%です。増益そのものより、営業利益率13.5%が次の四半期でも保てるかが見られます。
売上規模の確認
売上高は362.83億円、前年比は+7.2%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は68.4%、純資産は636.56億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高720億円、営業利益90億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
財務安全性
財務安全性では、総資産835.56億円、純資産636.56億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率68.4%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高362.83億円(+7.2%)、営業利益48.82億円(+11.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益38.27億円(+27.4%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高720億円、営業利益90億円、経常利益95億円、純利益53億円、EPS393.73円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。判断の根拠は、売上高362.83億円、営業利益48.82億円、純利益38.27億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2024年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」、ニチリン、開示日: 2024-08-09