業績予想サマリー

2026年3月期の会社予想は次の通りである。

項目2026年3月期予想2026年3月期3Q累計実績2025年3月期実績
売上高458百万円321百万円479百万円
営業損失869百万円496百万円112百万円
経常損失1,098百万円714百万円115百万円
当期純損失1,099百万円714百万円120百万円
1株当たり純損失168.36円111.10円22.54円
1株当たり配当金0円0円0円

売上高は前期比4.4%減の4.58億円を見込む。一方で、営業損失は前期の1.12億円から8.69億円へ、経常損失は1.15億円から10.98億円へ拡大する計画だった。

IPO評価として見る場合、売上規模よりも、研究開発費の増加と資金調達の必要性が焦点になる。黒字化の近さを見る会社ではなく、パイプラインの進捗に資金を投じる創薬ベンチャーとして見るべき資料である。

売上高の前提

売上高は、主に次の3つから構成される。

収益源見方
オファコルカプセル50mg希少疾患薬の販売。欠品を避けるため、月ごとの出荷量を精査して売上を見込む
韓国でのポリ硫酸ペントサンナトリウム原薬関連収益原薬販売に伴う収益分配を前年度実績ベースで見込む
コンサルティング収入契約に基づく売上を見込む

売上高は大きく伸びる前提ではない。むしろ、研究開発フェーズの会社としては、既存販売品と提携・コンサル収益で一定の売上を維持しながら、主力パイプラインへ投資する構図である。

損失拡大の主因は研究開発費

販売費及び一般管理費は、前期比133.8%増の11.26億円を見込む。その中心が研究開発費である。

項目2026年3月期予想前期比主な理由
研究開発費849百万円+197.3%ポリ硫酸ペントサンナトリウム第3相試験の本格化
人件費144百万円+21.5%管理部門などの採用、期末人員18名から25名への増加
その他販管費133百万円+71.7%外部専門家報酬、上場準備関連、保管業務委託費など

創薬ベンチャーでは、第3相試験に入ると費用負担が一段重くなる。レクメドも、変形性膝関節症向けのポリ硫酸ペントサンナトリウムが第3相試験に入ったことで、研究開発費が大きく増える計画になっていた。

このため、売上高が4億円台でも、営業損失は8億円台まで拡大する。投資家目線では、赤字幅そのものを嫌うだけでなく、その赤字が将来の承認・導出・販売拡大につながる研究開発投資かどうかを見る必要がある。

パイプラインの見方

資料では、主な開発品としてポリ硫酸ペントサンナトリウムとエルトプラジンが示されている。

開発品主な対象見方
ポリ硫酸ペントサンナトリウム変形性膝関節症、変形性手関節症、変形性股関節症、ムコ多糖症及びムコリピドーシス、HTLV-1関連脊髄症変形性膝関節症で第3相試験が本格化。費用増の中心
エルトプラジンパーキンソン病に伴うレボドパ誘発ジスキネジア既存試験結果を活用し、国内開発で初期臨床試験を省略できる可能性がある

特に重要なのは、変形性膝関節症向けの第3相試験である。対象患者数が大きい一方、第3相試験は費用もリスクも重い。ここで良い結果が出れば評価は変わるが、進捗遅延や未達の場合は資金繰りへの影響も大きい。

投資家として見るポイント

レクメドの業績予想は、普通の「売上成長・利益成長」を見る資料ではない。

見るべきポイントは次の通りである。

  • 売上高4.58億円に対して、研究開発費8.49億円を投じる計画である
  • 第3相試験の本格化により、営業損失・経常損失・純損失が大きく拡大する
  • オファコルカプセル50mgは売上の柱だが、単独で研究開発費を吸収する規模ではない
  • 上場関連費用や株式交付費なども経常損失を押し下げる要因になっている
  • 上場承認取消し後は、再IPO時の資金調達条件とパイプライン進捗が最重要になる

創薬ベンチャーとしては、赤字そのものは珍しくない。ただし、研究開発費がどのパイプラインに投じられ、どのタイミングで臨床結果や提携収入につながるのかが重要である。

まとめ

レクメドの2026年3月期業績予想は、売上高4.58億円、営業損失8.69億円、当期純損失10.99億円という内容だった。

売上はオファコルカプセル50mg、韓国での原薬関連収益、コンサルティング収入で構成される。一方、ポリ硫酸ペントサンナトリウムの第3相試験が本格化し、研究開発費が大きく増えることで赤字が拡大する。

現在の529Aは上場承認取消し後の案件であり、市場で売買できる銘柄ではない。したがって、この資料は株価分析というより、再上場があった場合に確認すべき「売上規模、研究開発費、資金需要、主力パイプライン」を整理するための一次資料として読むのがよい。

参考資料