決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 2037.05億円 | 1699.27億円 | +19.9% | 7900億円 | 25.8% |
| 営業利益 | 417.78億円 | 335.91億円 | +24.4% | 1500億円 | 27.9% |
| 税引前四半期利益 | 1422.13億円 | 335.22億円 | +324.2% | 1500億円 | 94.8% |
| 親会社帰属利益 | 972.67億円 | 238.58億円 | +307.7% | 1050億円 | 92.6% |
| EPS | 497.96円 | 120.20円 | +314.3% | 267.50円 | 該当なし |
EPSの通期予想267.50円は2026年9月末基準の1対2株式分割後の値で、分割前の第1四半期EPSとは単純比較できない。会社開示の分割前換算では通期535円である。
セグメント
| セグメント | 外部収益 | 前年同期 | セグメント利益 | 前年同期 |
|---|---|---|---|---|
| 自動車関連 | 1,640.90億円 | 1,399.51億円 | 407.45億円 | 332.30億円 |
| コンポーネント・ソリューション | 359.65億円 | 277.47億円 | 14.21億円 | 2.42億円 |
| その他 | 36.48億円 | 22.28億円 | △3.88億円 | 1.18億円 |
自動車関連は新車組付け・補修用製品が伸び、コンポーネント・ソリューションは生成AI・先端ロジック半導体向け需要とNiterra Materialsの連結効果が寄与した。
財務安全性
財務安全性では、総資産13285.36億円、純資産8502.72億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率63.7%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF6670.79億円、投資CF6614.57億円、財務CF13285.36億円、現金及び現金同等物の期末残高4782.63億円です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +314.3% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は20.5%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
本業の営業増益
営業利益は24.4%増の417.78億円。自動車関連が22.6%増益となり、コンポーネント・ソリューションも14.21億円へ拡大した。
半導体関連需要
生成AI関連用途や先端ロジック半導体向けの販売が堅調に推移し、コンポーネント・ソリューションの売上収益は29.4%増加した。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は63.7%、純資産は8502.72億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは6670.79億円です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
投資有価証券評価益の反動
税引前利益の急増は投資有価証券評価益995.27億円の影響が大きい。評価益は市場価格で変動し、本業の営業利益と同じ持続性を前提にできない。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
営業利益の増加は評価材料だが、純利益の大部分を金融収益が押し上げた。株価評価では親会社帰属利益の伸び率より、営業利益417.78億円と事業別採算を中心に見る必要がある。
今期の総括
売上収益2,037.05億円、営業利益417.78億円と本業は増収増益だった。親会社帰属利益972.67億円の急増には投資有価証券評価益が含まれるため、本業と金融要因を分離して評価する決算である。
来期見通し
通期予想は売上収益7,900億円、営業利益1,500億円、税引前利益1,500億円、親会社帰属利益1,050億円。EPS267.50円は1対2株式分割後の予想で、分割前換算は535円である。
総合判断
総合判断は中立。自動車・半導体関連の営業増益は前向きだが、税引前利益と純利益は巨額の投資有価証券評価益を含むため、見かけの進捗率をそのまま評価しない。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」、日特殊陶、開示日: 2026-07-31