決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 30.79億円 | 30.68億円 | +0.4% | 35.00億円 | 該当なし |
| 営業利益 | 1.43億円 | 1.69億円 | -15.5% | 1.60億円 | 該当なし |
| 経常利益 | 1.38億円 | 1.81億円 | -23.6% | 1.70億円 | 該当なし |
| 純利益 | 1.16億円 | 1.45億円 | -20.3% | 1.26億円 | 該当なし |
| EPS | 210.99円 | 264.68円 | -20.3% | 229.10円 | 該当なし |
通期決算では会社計画欄に次期予想を置いているため、進捗率は該当なしとしています。
過去2期比較
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024年3月期 | 30.79億円 | 1.43億円 | 1.38億円 | 1.16億円 | 4.7% |
| 2023年3月期 | 30.68億円 | 1.69億円 | 1.81億円 | 1.45億円 | 5.5% |
売上高は横ばいです。営業利益率は5.5%から4.7%へ低下しました。小幅な変化に見えますが、規模の小さいシステム開発会社では、利益率の1ポイント弱の低下でも見え方は変わります。
2024年3月期は、需要がなかったわけではありません。むしろDX需要はある。ただ、その需要を利益に変え切れていない。ここが投資家から見ると少しもどかしい点です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | -20.3% | 当期EPSと前年同期EPS | 純利益は減少しています。 |
| ROE | 13.4% | 決算短信の収益性指標 | ROEは二桁ですが、前年から低下しています。 |
| 営業利益率 | 4.7% | 売上高と営業利益 | 収益性はやや低下しています。 |
| 自己資本比率 | 58.9% | 決算短信の財政状態 | 財務面には一定の厚みがあります。 |
ポジティブ要因
ヘルスケア支援システム業務
ヘルスケア支援システム業務は、既存顧客からの売上が順調に伸び、新規顧客獲得も進みました。会社側は、売上・利益とも順調に推移したと説明しています。
DX需要の継続
企業の働き方改革、DX、既存システム刷新の需要は続いています。事業領域そのものに需要がある点は支えです。
財務安全性
自己資本比率は58.9%です。小型のシステム開発会社としては、財務面に一定の余裕があります。
リスク要因
ITシステム開発業務の伸び悩み
ITシステム開発業務では、案件獲得数の伸びが鈍く、一部案件の立ち上げにも時間がかかりました。需要がある市場でも、案件獲得と立ち上げが遅れると利益にはつながりません。
利益率の低下
営業利益率は5.5%から4.7%へ低下しました。競争激化、人手不足、コスト高の中で、利益率を守る難しさが出ています。
PRO Market銘柄としての流動性
働楽ホールディングスはTOKYO PRO Market銘柄です。一般市場銘柄と比べて投資家層や流動性が限られやすく、株価評価ではその点も考慮が必要です。
財務安全性
財務安全性では、総資産15.61億円、純資産9.27億円、自己資本比率58.9%を確認します。現金及び現金同等物の期末残高は4.84億円です。
キャッシュ・フローは営業CF0.42億円、投資CF-1.47億円、財務CF0.45億円でした。営業CFはプラスですが、前年の2.43億円からは大きく減っています。
業界動向との関連
システム開発市場では、DX推進、テレワーク対応、既存システム刷新の需要が続いています。一方で、技術者不足と人件費上昇、案件獲得競争は厳しい。
働楽ホールディングスの2024年3月期は、この業界環境をそのまま映したような内容です。需要はある。だが、利益は伸びない。売上より利益、利益よりキャッシュで見るべき決算です。
株価への示唆
株価への示唆は中立です。財務面とヘルスケア支援システム業務の順調さは支えになりますが、売上横ばい・減益では市場が強く評価しにくい。
2025年3月期は売上高35.00億円、営業利益1.60億円を見込んでいます。計画通りなら回復感は出ますが、まずはITシステム開発業務の案件獲得と利益率改善を確認したいところです。
今期の総括
2024年3月期は、売上高30.79億円、営業利益1.43億円、純利益1.16億円という内容でした。
増収はわずかで、利益は減少しました。ヘルスケア支援システム業務は順調でしたが、ITシステム開発業務の伸び悩みが全社利益を抑えました。
来期見通し
2025年3月期は、売上高35.00億円、営業利益1.60億円、経常利益1.70億円、純利益1.26億円、EPS229.10円を見込んでいます。
DX需要は続く見通しですが、需要を利益に変えられるかが焦点です。
総合判断
総合判断は中立である。需要環境は悪くないものの、2024年3月期は売上横ばい・減益で、投資家が強気になりにくい内容でした。
次回は、営業利益率、案件獲得、営業CF、ヘルスケア支援システム業務の利益貢献を確認したい決算です。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、働楽ホールディングス、開示日: 2024-05-30