決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上高33.25億円30.79億円+8.0%39.00億円該当なし
営業利益0.86億円1.43億円-39.7%1.47億円該当なし
経常利益1.07億円1.38億円-22.3%1.56億円該当なし
純利益1.01億円1.16億円-12.2%1.15億円該当なし
EPS185.25円210.99円-12.2%210.30円該当なし

通期決算では会社計画欄に次期予想を置いているため、進捗率は該当なしとしています。

過去2期比較

決算期売上高営業利益経常利益純利益営業利益率
2025年3月期33.25億円0.86億円1.07億円1.01億円2.6%
2024年3月期30.79億円1.43億円1.38億円1.16億円4.7%

増収なのに減益。ここがこの決算のほぼすべてです。売上高は8.0%伸びていますが、営業利益率は4.7%から2.6%へ低下しました。

システム開発会社の場合、売上高だけを追うと見誤りやすい。受注が増えても、工数見積りが外れれば利益は残りません。2025年3月期は、その弱さがかなりはっきり出た決算です。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率-12.2%当期EPSと前年同期EPS純利益は減少しています。
ROE10.5%決算短信の収益性指標数字だけ見れば悪くありませんが、利益率低下が気になります。
営業利益率2.6%売上高と営業利益収益性は低下しています。
自己資本比率55.0%決算短信の財政状態財務面には一定の厚みがあります。

ポジティブ要因

売上高は増加

売上高は33.25億円で、前年同期比8.0%増となりました。情報サービス産業ではシステム更新投資需要が続いており、同社にも一定の需要はあります。

ヘルスケア支援システム業務

ヘルスケア支援システム業務は、既存顧客からの売上が順調に伸び、新規顧客獲得も進みました。利益面でも順調に推移したと会社側は説明しています。

営業キャッシュ・フロー

営業キャッシュ・フローは1.54億円のプラスです。利益は減りましたが、営業CFは前年の0.42億円から改善しています。

リスク要因

請負案件の採算悪化

ITシステム開発業務では、獲得案件の伸びが見通しに届きませんでした。さらに、請負契約のソフトウェア開発案件で開発工数の見積り誤りがあり、予定工数を大幅に超過しました。

このタイプの損失は、システム開発会社ではかなり現実的なリスクです。売上が立っていても、案件ごとの粗利が崩れると全社利益が急に薄くなります。

営業利益率の低下

営業利益率は4.7%から2.6%へ下がりました。IT投資需要はあっても、価格交渉、見積り精度、人員配置が弱いと利益率は残りません。

PRO Market銘柄としての流動性

働楽ホールディングスはTOKYO PRO Market銘柄です。一般的な東証プライム・スタンダード・グロース銘柄より流動性や投資家層が限られやすい点は、株価評価でも考慮が必要です。

財務安全性

財務安全性では、総資産18.67億円、純資産10.25億円、自己資本比率55.0%を確認します。現金及び現金同等物の期末残高は4.29億円です。

キャッシュ・フローは営業CF1.54億円、投資CF-3.03億円、財務CF0.93億円でした。営業CFはプラスですが、投資CFのマイナスが大きく、現金残高は前年末から減少しています。

業界動向との関連

情報サービス産業では、企業のシステム更新、DX、人手不足対策の需要が続いています。ただ、景況感が不透明な中では投資判断も慎重になりやすく、受注単価や案件採算には差が出ます。

2025年3月期の働楽ホールディングスは、需要そのものよりも、採算管理が問われた決算でした。売上より利益、利益よりキャッシュ。小型のシステム開発会社では、この順番で見る方が実態に近いです。

株価への示唆

株価への示唆は中立です。売上増と営業CF改善は悪くありませんが、営業利益の減少幅が大きく、営業利益率も低下しています。

2026年3月期はヘルメスシステムズの連結子会社化で売上拡大が見込まれます。ただし、市場が本当に見たいのは、連結効果による売上増ではなく、案件採算が戻るかどうかです。

今期の総括

2025年3月期は、売上高33.25億円、営業利益0.86億円、純利益1.01億円という内容でした。

売上は伸びたが、利益率は落ちた。システム開発会社としては、少し重い決算です。ヘルスケア支援システム業務の順調さは支えですが、ITシステム開発業務の見積り・納期・原価管理が次の焦点になります。

来期見通し

2026年3月期は、売上高39.00億円、営業利益1.47億円、経常利益1.56億円、純利益1.15億円、EPS210.30円を見込んでいます。

会社側は、ヘルメスシステムズの連結子会社化により顧客基盤を広げ、ソフトウェア開発領域での融合を進める方針です。計画通りなら営業利益は回復しますが、2025年3月期に出た採算悪化が一過性かどうかは、次の決算で確認が必要です。

総合判断

総合判断は中立である。売上高は伸びていますが、営業利益率の低下が重く、まだ強気には見にくい決算です。

次回は、営業利益率、案件採算、営業CF、ヘルメスシステムズ連結後の利益貢献を確認したいところです。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。

  • 「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、働楽ホールディングス、開示日: 2025-05-20
本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。