決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上高36.49億円33.25億円+9.7%39.00億円該当なし
営業利益0.62億円0.86億円-28.1%1.19億円該当なし
経常利益0.71億円1.07億円-33.6%1.28億円該当なし
純利益0.50億円1.01億円-50.1%1.10億円該当なし
EPS92.43円185.25円-50.1%200.00円該当なし

通期決算では会社計画欄に次期予想を置いているため、進捗率は該当なしとしています。

過去3期推移

決算期売上高営業利益経常利益純利益営業利益率
2026年3月期36.49億円0.62億円0.71億円0.50億円1.7%
2025年3月期33.25億円0.86億円1.07億円1.01億円2.6%
2024年3月期30.79億円1.43億円1.38億円1.16億円4.7%

3期で見ると、売上高は30.79億円から36.49億円へ増えています。表面上は成長しています。

ただ、利益の流れは逆です。営業利益は1.43億円、0.86億円、0.62億円と低下し、営業利益率も4.7%から1.7%まで落ちました。働楽ホールディングスを見るうえでは、売上拡大よりも、開発案件の採算と外注費・人件費の吸収力を先に確認したい局面です。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率-50.1%当期EPSと前年同期EPS売上増に対して利益が落ちた点を重く見る必要があります。
ROE4.9%決算短信の収益性指標自己資本に対する利益効率は高くありません。
営業利益率1.7%売上高と営業利益システム開発案件の採算管理が課題です。
自己資本比率55.2%決算短信の財政状態財務面は一定の厚みがあります。

売上高は伸びていますが、営業利益率は1.7%にとどまります。IT投資需要がある中でも、請負案件の原価管理を誤ると利益がすぐに削られることが見える決算です。

ポジティブ要因

売上規模の拡大

売上高は36.49億円で、前年同期比9.7%増となりました。株式会社ヘルメスシステムズを連結対象にした効果があり、グループ売上規模は拡大しています。

営業キャッシュ・フロー

営業キャッシュ・フローは2.42億円のプラスです。純利益は減りましたが、キャッシュ面では一定の創出力を確認できます。

来期利益回復計画

2027年3月期は営業利益1.19億円、純利益1.10億円を見込んでいます。計画上は営業利益がほぼ倍増する形であり、採算改善が実現するかが焦点です。

リスク要因

請負案件の採算悪化

会社側は、請負契約によるソフトウェア開発案件で顧客との調整不足と開発工数の見積り誤りがあり、想定を上回る開発工数、納期遅延、原価増が生じたと説明しています。

システム開発会社にとって、これはかなり実務的なリスクです。売上が立っても、工数見積りが崩れると利益は残りません。

人件費・外注費の上昇

会社側は、IT技術者不足、人件費や外注費の上昇、案件の高度化・複雑化を今後の課題として挙げています。DX需要があっても、採算を守れなければ評価は上がりにくいです。

PRO Market銘柄としての流動性

働楽ホールディングスはTOKYO PRO Market銘柄です。一般的な東証プライム・スタンダード・グロース銘柄より流動性や投資家層が限られやすく、株価評価ではその点も考える必要があります。

財務安全性

財務安全性では、総資産19.24億円、純資産10.61億円、自己資本比率55.2%を確認します。現金及び現金同等物の期末残高は5.07億円です。

キャッシュ・フローは営業CF2.42億円、投資CF-1.46億円、財務CF-0.17億円でした。営業CFがプラスである点は安心材料ですが、ソフトウエア投資などもあり、投資CFはマイナスです。

業界動向との関連

情報通信業界では、DX、クラウド環境整備、ネットワーク強化、セキュリティ対策の需要が続いています。

ただし、需要が強いことと利益が出ることは別です。技術者不足と外注費上昇が続く中では、受注単価、見積り精度、プロジェクト管理力が利益率を左右します。

株価への示唆

株価への示唆は条件付きです。2027年3月期計画どおりに営業利益1.19億円へ回復し、請負案件の採算悪化が一過性だったと確認できれば、評価の下支えになります。

一方で、同じような見積り誤りや納期遅延が続くと、売上成長よりも利益率の低さが意識されます。PRO Market銘柄であることもあり、流動性面のリスクは残ります。

今期の総括

今期は売上高36.49億円、営業利益0.62億円、純利益0.50億円という内容でした。

売上は伸びましたが、利益は減少しました。ヘルメスシステムズ連結による売上増と、請負案件の採算悪化が同時に出た決算です。

来期見通し

2027年3月期は、売上高39.00億円、営業利益1.19億円、経常利益1.28億円、純利益1.10億円、EPS200.00円を見込んでいます。

利益回復計画ではありますが、採算管理と人件費・外注費コントロールが前提になります。

総合判断

総合判断は中立である。売上規模は拡大している一方、請負案件の採算悪化で利益率が落ちた点は無視できません。

次回は、営業利益率、プロジェクト採算、営業CF、2027年3月期予想に対する進捗を確認したい決算です。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。

  • 「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、働楽ホールディングス、開示日: 2026-05-28
  • 「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、働楽ホールディングス、開示日: 2025-05-20
  • 「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、働楽ホールディングス、開示日: 2024-05-30
本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。