早稲田学習研究会 5869|2026年5月期 14か月変則決算 売上79.51億円、営業利益13.21億円 5拠点の新設費用を吸収できるか 事業基盤 ✓ 期中平均生徒数 19,182名 ✓ 期末66拠点、新規5拠点 ✓ 自己資本比率 77.9% 確認点 ⚠ 営業利益率 16.6% ⚠ 営業CF 前期比4.01億円減 ⚠ 少子化と教師採用競争

決算サマリー

項目2026年5月期実績2025年3月期実績増減率2027年5月期計画
売上高79.51億円69.86億円期間不一致のため算定せず74.68億円
営業利益13.21億円14.92億円期間不一致のため算定せず15.00億円
経常利益13.25億円15.08億円期間不一致のため算定せず15.24億円
当期純利益9.19億円10.38億円期間不一致のため算定せず10.44億円
EPS91.48円102.37円期間不一致のため算定せず103.45円

2026年5月期は2025年4月から2026年5月までの14か月で、業績が低調になりやすい4月と5月を二度含む。会社も前年比を開示しておらず、通常の12か月決算との単純比較はできない。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率算定せず14か月と12か月で期間不一致91.48円を単純比較しない
ROE12.9%前期15.0%変則決算でも低下
ROIC開示なし投下資本の詳細不足推計を保留
PER推移市場データ未反映過去レンジ未確認理論株価を算定せず

営業利益率は16.6%で、前期の21.4%を下回った。期間差を考慮しても、新規出店・移転、Web広告、本社移転などの先行費用が利益率へ出た決算である。

ポジティブ要因

生徒数と拠点網の拡大

期中平均生徒数は19,182名、期末拠点数は66拠点となった。ゼミ部門で4校舎、ファースト個別部門で1教室を新設し、将来の売上基盤を広げた。

ゼミ部門が売上の中心

ゼミ部門は平均生徒数15,556名、売上高59.67億円で全社売上の約75%を占めた。ハイ部門は12.99億円、ファースト個別部門は6.84億円である。

高い自己資本比率

純資産は72.80億円、自己資本比率は75.3%から77.9%へ上昇した。現金同等物31.93億円を持ち、出店投資を続ける財務余力は残る。

リスク要因

先行投資で利益率が低下

新規5拠点、校舎移転、Web広告、ホームページ刷新、本社移転、社宅新築の費用が重なった。売上が拡大しても、新校の生徒獲得が遅れれば利益率の回復は鈍る。

営業キャッシュ・フローの減少

営業CFは8.58億円と前期比4.01億円減少した。法人税等の支払い8.28億円と未収入金の増加が重く、投資CF控除後のフリーCFは1.35億円にとどまった。

少子化と教師採用

学齢人口が減少するなか、同社は授業担当教師を全員正社員とする。指導品質の差別化になる半面、3拠点を新設する次期は採用・育成費と教室稼働率の管理が欠かせない。

財務安全性

総資産93.40億円に対し純資産72.80億円、自己資本比率77.9%で財務基盤は厚い。営業CF8.58億円、投資CFマイナス7.23億円、財務CFマイナス7.10億円となり、現金同等物は5.75億円減の31.93億円。設備投資6.16億円と配当支払い6.26億円を同時に進めた結果である。

業界動向との関連

学習塾市場は少子化で生徒獲得競争が続く一方、保護者は指導品質と学習成果を選別している。同社は北関東を軸に正社員教師と面倒見を差別化要因とするが、新校の立ち上がり速度が投資回収を左右する。

株価への示唆

市場データを取得していないためPERレンジと理論株価は算定しない。次期予想EPS103.45円を評価する際は、12か月決算へ戻るため売上高が見かけ上減る点と、営業利益率が計画上20.1%まで回復する前提を分けて見る必要がある。出店後の生徒数と営業CFが伴えば評価材料になるが、費用先行が続く場合は利益計画への信頼が弱まりやすい。

今期の総括

14か月の変則決算で売上79.51億円を確保したが、5拠点の新設など成長投資が営業利益率を押し下げた。年間配当は中間27円、期末35円の計62円で、前期55円から増配となった。

来期見通し

2027年5月期は売上高74.68億円、営業利益15.00億円、当期純利益10.44億円を計画する。東川口、加須、藤岡の3拠点を出店予定で、年間配当予想は65円。12か月決算へ戻るため売上高の単純な前年比は示されておらず、営業利益率20.1%への回復が実質的な達成条件となる。

総合判断

総合判断は中立である。自己資本比率77.9%と現金31.93億円は強いが、先行投資で営業利益率と営業CFが低下した。次回は新校の生徒獲得、正社員教師の採用・育成、営業利益率20%前後への回復を確認したい。

出典

  • 早稲田学習研究会「2026年5月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」、2026年7月15日開示