決算サマリー

項目当期実績前期実績増減率次期計画進捗率
売上高141.49億円95.54億円+48.1%169.49億円該当なし
EBITDA37.40億円22.95億円+62.9%45.00億円該当なし
営業利益26.03億円17.43億円+49.3%34.84億円該当なし
経常利益22.08億円15.79億円+39.8%28.82億円該当なし
純利益9.35億円-5.10億円黒字転換会社予想非開示該当なし
EPS31.51円-17.33円黒字転換会社予想非開示該当なし

通期決算では会社計画欄に次期予想を置いているため、進捗率は該当なしとしています。EBITDAは営業利益にのれん償却額、減価償却費、株式報酬費用、利息費用を足し戻したNon-GAAP指標であり、営業利益とは分けて評価します。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率黒字転換31.51円と-17.33円最終損益が赤字から黒字へ戻った。
ROE11.6%前期-6.5%黒字転換により資本効率は改善した。
営業利益率18.4%前期18.2%売上急拡大の中でも営業利益率はほぼ維持した。
自己資本比率18.9%前期18.3%大きくは改善しておらず、預り金・借入金を含む財務構造を確認したい。

数字から見ると、売上成長だけでなく、営業利益率を維持したまま増益を出した点は評価できる。問題は、2026年12月期も同じペースで利益を積めるかである。

ポジティブ要因

giftee for Businessが成長を牽引

法人・自治体向けのgiftee for Businessは、利用企業・自治体数が2,276社、実施案件数が18,772件となり、前期に続いて過去最高を更新した。補助金や支援金の配付手段としてeギフトを使う自治体需要も伸びた。

eGift Systemの導入企業が増加

eGift Systemの利用企業数は302社で、前期比35社増となった。飲食・小売だけでなく幅広い業種で導入が進み、eギフト発行側のネットワークが広がっている。

営業CFが大きく黒字化

営業活動によるキャッシュ・フローは110.89億円の黒字となった。前期は35.93億円の流出だったため、資金面の見え方は大きく改善している。前渡金の減少、仕入債務の増加など運転資金の動きも効いた。

リスク要因

地域通貨サービスはスポット案件の反動がある

地域通貨サービスは、前年にあったプレミアム商品券の電子化などのスポット案件や開発を伴う導入案件が限定的だったため、売上は前年同期比で減少した。自治体案件は大きいが、毎年同じ形で積み上がるとは限らない。

販管費も高いペースで増えている

販売費及び一般管理費は78.22億円で前期比43.8%増となった。人件費、サーバー費用などの支払手数料が増えている。2025年12月期は売上成長で吸収できたが、売上の伸びが鈍ると利益率はすぐ試される。

投資損失と利息負担が残る

営業外費用は4.44億円で、支払利息1.94億円、持分法による投資損失1.39億円が含まれる。M&Aや海外展開を続ける会社としては、営業利益の下で出る費用も見落とせない。

財務安全性

総資産は447.06億円、純資産は92.72億円、自己資本比率は18.9%である。現金及び預金は169.33億円あるが、預り金76.33億円、買掛金66.42億円、短期借入金65.45億円、長期借入金57.16億円も大きい。営業CFの黒字転換は強い材料だが、eギフト事業特有の預り金や契約負債、M&A資金、借入金のバランスを見る必要がある。一般的な軽いSaaS企業として自己資本比率だけを眺めると、実態を取り違える。

業界動向との関連

eギフトは、個人間ギフト、法人キャンペーン、自治体給付、地域通貨、店舗販促をまたぐ市場になっている。紙クーポンや物理景品より配布・管理がしやすく、行政DXや販促DXの流れとも合う。ギフティの強みは、発行企業側のeGift Systemと、利用企業・自治体側のgiftee for Businessを同時に持つ点である。両側が増えるほどネットワーク効果が出やすい。

株価への示唆

2025年12月期の数字は強い。売上高48.1%増、営業利益49.3%増、営業CF110.89億円の黒字化までそろっている。ただ、590Aとして見る場合、これは上場前の旧ギフティの実績であり、すでに成長企業としての期待は株価にかなり入っている可能性がある。次の評価軸は、2026年12月期計画の営業利益34.84億円をどの利益率で達成するか、そしてM&Aや海外展開を進めながら自己資本比率18.9%の財務構造をどう保つかである。良い通期決算だが、ここからは質を見られる。

今期の総括

2025年12月期は、giftee for Business、eGift System、M&A寄与が重なり、売上高141.49億円、営業利益26.03億円まで伸びた。最終損益も9.35億円の黒字となり、前年の赤字から回復した。営業CFの黒字転換も含め、旧ギフティとしてはかなり見栄えの良い通期決算である。

来期見通し

2026年12月期は、売上高169.49億円(前期比19.8%増)、EBITDA45.00億円(20.3%増)、営業利益34.84億円(33.8%増)、経常利益28.82億円(30.5%増)を計画している。親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失や税効果などの見積もりが難しいとして非開示である。年間配当は13円から16円へ増配予定で、Non-GAAP当期純利益ベースの配当性向30%を目安としている。

持株会社化と590Aでの見方

この決算は旧ギフティ(4449)名義の開示であり、590Aはまだ存在していない時点の数字である。ただし、ギフティグループは旧ギフティの単独株式移転による完全親会社で、株式移転比率は1対1だった。事業実態を見るうえでは、2025年12月期通期決算を590Aの前期実績として読むのが自然である。今後は、持株会社化によってM&A、PMI、海外展開、自治体案件、地域通貨事業をどれだけ規律ある形で利益化できるかが問われる。

総合判断

総合判断は中立である。売上、営業利益、営業CFはいずれも強く、eギフトプラットフォームの拡大は数字に出ている。一方で、地域通貨のスポット案件反動、販管費の増加、借入金を含む財務構造、投資損失・利息負担は残る。590Aとしての再評価には、2026年12月期も案件数の拡大を営業利益率とキャッシュに落とせるかの確認がいる。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信および持株会社化に関する公式開示を基に作成しています。

  • 株式会社ギフティ「2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、開示日: 2026-02-13
  • 株式会社ギフティ「単独株式移転による持株会社体制への移行に関するお知らせ」、公表日: 2026-02-13