スーパーツール 証券コード: 5990 売上高 +17.4%、営業利益 -17.0% 工場取壊費用1.46億円で純損失 ✓ 金属製品売上 +11.9% ✓ 環境関連売上 +39.9% ✓ 自己資本比率 79.3% ⚠ 営業利益率 4.3% ⚠ 金属製品利益 -10.5% ⚠ 新工場投資と原材料高

決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率通期予想進捗率
売上高16.38億円13.95億円+17.4%55.00億円29.8%
営業利益0.70億円0.84億円-17.0%3.90億円17.9%
経常利益0.77億円0.92億円-16.9%4.00億円19.3%
親会社株主に帰属する四半期純利益-0.67億円0.67億円赤字転落1.70億円-39.5%
EPS-28.46円28.53円赤字転落71.98円-39.5%

売上は伸びたものの粗利益はほぼ横ばいで、営業利益率は前年同期の6.1%から4.3%へ低下した。純損失は本業赤字ではなく、固定資産除売却損1.46億円の影響が大きい。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率赤字転落前年同期28.53円特別損失の影響を含む
営業利益率4.3%前年同期6.1%増収でも採算は悪化
自己資本比率79.3%前期末77.3%財務余力は厚い
ROIC開示なし第1四半期短信のみでの推計は保留
PER推移市場データ未反映赤字四半期のため単純比較に不向き

ポジティブ要因

金属製品の販売回復

金属製品事業は売上高12.54億円(前年同期比11.9%増)。国内の作業工具やプーラ類が堅調で、韓国向け吊クランプも新製品効果から回復した。2026年6月には海外の一部地域で価格改定を実施している。

環境関連の受注消化

撤退方針の環境関連事業は、水上設置型太陽光発電所の受注済み案件を施工し、売上高3.83億円(同39.9%増)となった。撤退過程の売上であり、継続成長とは分けて評価する必要がある。

高い自己資本比率

総資産129.04億円、純資産102.37億円、自己資本比率79.3%。現金・預金は前期末比0.78億円減ったが、新工場投資を進めるうえで財務基盤には余力がある。

リスク要因

増収が利益に結びついていない

金属製品事業の利益は1.51億円(同10.5%減)、環境関連事業も0.27億円(同9.0%減)だった。売上総利益は前年同期とほぼ同額で、資材価格高騰や販売構成の変化が利益率を圧迫している。

新工場関連の負担

既存施設の取壊しに伴う固定資産除売却損1.46億円を計上した。今回は特別損失だが、新工場建設では今後も投資支出や償却負担が発生するため、生産性向上の効果が数字に表れる時期を確認したい。

環境関連事業の縮小

環境関連事業は撤退方針で、現在の増収は受注残の消化によるものだ。売上減少分を金属製品事業で補えるかが中期的な課題となる。

財務安全性

自己資本比率79.3%は高い水準で、負債は前期末比3.55億円減の26.67億円。棚卸資産と現預金の減少により総資産は4.40億円減少した。第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、新工場関連の資金流出は通期開示で確認する。

業界動向との関連

国内では資材価格の上昇が続き、海外では韓国の建設関連需要が弱い。吊クランプや作業工具の数量回復だけでなく、価格改定が粗利益率の改善につながるかが同社固有の論点である。

株価への示唆

純損失は工場取壊費用という一時要因が中心であり、営業黒字は維持した。ただ、17.4%増収に対して営業利益が17.0%減った点は軽くない。市場評価が改善するには、特別損失の一巡だけでなく、金属製品事業の利益率回復が必要になる。

今期の総括

売上増加の見栄えに対し、本業の利益率は低下した。赤字転落は1.46億円の特別損失が主因だが、セグメント利益も減少している。売上より利益の質を見られる第1四半期だった。

来期見通し

会社は通期予想を据え置き、売上高55.00億円(前期比1.2%増)、営業利益3.90億円(同35.5%増)、純利益1.70億円(同14.3%減)を見込む。年間配当予想は60円。営業利益の進捗率は17.9%で、海外価格改定と生産改善の寄与が下期に表れるかを確認する。

総合判断

総合判断は中立。特別損失を除けば本業は黒字で、自己資本比率79.3%も支えとなる。ただし、増収下で営業減益となったため、工場関連費用の一巡だけでは評価しにくい。次回は金属製品の利益率と新工場投資の進捗が判断材料になる。

出典

  • 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、株式会社スーパーツール、開示日: 2026-07-16