akippa 証券コード: 627A 2026年12月期中間 中間営業利益1.19億円、通期予想3.40億円 駐車場の供給拡大が成長を左右する上場前局面 億円 22年20.8 23年26.2 24年31.9 25年38.3 ✓ 売上高は中間で19.16億円 ✓ 掲載駐車場数は5.887万件 ✓ 営業利益率は6.2% ⚠ 公開価格決定前で評価不能 ⚠ 供給不足エリアが残る ⚠ 潜在株式877,493株 kabutrack.com

決算サマリー

2026年1月1日から6月30日までの中間会計期間は、売上高19.16億円、売上総利益10.00億円、営業利益1.19億円、経常利益1.24億円、中間純利益1.05億円となった。中間実績の前年同期値は本資料で開示されていないため、前年同期比は置かず、会社予想に対する進捗を確認する。

項目2026年12月期中間実績2026年12月期通期予想予想進捗
売上高19.16億円43.00億円44.5%
営業利益1.19億円3.40億円35.1%
経常利益1.24億円3.41億円36.3%
中間・当期純利益1.05億円3.02億円34.7%
1株当たり利益22.03円56.90円-

上期の営業利益率は6.2%で、2025年12月期通期の5.3%から改善した。高単価・高稼働エリアの開拓とイベント周辺の駐車場売上が粗利を押し上げ、固定費の増加が売上の伸びに抑えられたことが利益率改善につながった。

セグメント

アキッパ事業の単一セグメントであり、事業別・サービス別の営業利益は開示されていない。売上高の構成要素は駐車場売上、サービス料、その他であるが、2026年12月期中間の各金額は本資料で確認できないため、配分は行わない。全社売上高は19.16億円、営業利益は1.19億円である。

財務安全性

2026年6月末の総資産は11.27億円、負債は4.97億円、純資産は6.29億円。自己資本比率は55.9%の計算となる。現金及び預金は7.14億円、借入金合計は5,866万円。営業CFは7,177万円の収入、投資CFは2,581万円、財務CFは1,106万円の支出で、中間期末の現金は前期末から3,491万円増えた。

定量評価

指標内容見方
EPS成長率通期予想56.90円/2025年実績54.22円、約4.9%増株式数の前提が異なるため単純比較には注意が必要
ROIC非開示税後営業利益と投下資本の基準を本資料から確定できない
PER推移非開示上場前で株価収益率を算定できない
営業利益率中間6.2%/2025年通期5.3%固定費吸収で改善

EPSの伸びは利益の伸びほど大きくない。上場時の公募増資や潜在株式を含む株式数の前提があるため、上場後は利益成長だけでなく1株利益の希薄化も合わせて確認したい。

ポジティブ要因

供給と需要の両面が伸びている

2026年6月の掲載駐車場数は58,870件で前年同月比8.7%増、2026年1月から6月の利用UU数は60.6万人で前年同期比11.8%増となった。駐車場の増加と利用者の増加が同時に進んでおり、マーケットプレイスの基礎指標は拡大している。

単価改善が利益に効いている

高単価・高稼働が見込める地域の開拓により、台あたり売上高が想定を上回った。売上高だけでなく売上総利益も伸び、固定費型の販管費を吸収しやすい局面に入っている。

オーナー獲得の自動化余地

2026年6月には不動産管理会社とのシステム連携を始め、月極駐車場の空きスペースを自動掲載する仕組みを構築した。営業人員だけに依存しない供給拡大が進むかが次の確認点となる。

リスク要因

最大のリスクは、駐車場の供給不足が残る地域や時間帯があることだ。掲載数が増えても利用ニーズの高い場所に適切な供給がなければ、利用UU数や予約数の伸びが鈍る。

また、通期予想は駐車場の供給数、台あたり売上高、イベント案件を積み上げて策定されている。天候やイベント開催、競争環境に左右される部分があり、上期進捗率だけで通期達成を判断するのは早い。上場時には発行済株式総数が6,262,140株となる予定で、別に877,493株の潜在株式がある点も1株利益を見る際の論点となる。

株主構成

2026年7月31日現在の上場前株主構成では、SOMPOホールディングス、金谷元気氏、ディー・エヌ・エーの3者で上位を占める。表の割合は自己株式を除く株式総数に対する比率で、括弧内は新株予約権による潜在株式である。

順位株主所有株式数所有割合
1SOMPOホールディングス株式会社1,969,140株29.12%
2金谷 元気1,143,703株16.91%
3株式会社ディー・エヌ・エー978,600株14.47%
4住友商事株式会社329,400株4.87%
5グロービス5号ファンド投資事業有限責任組合288,672株4.27%

売出し後の流通株式の増加は上場後の需給を見る材料だが、株主構成表だけから売却意向や株価の方向は推測できない。

業界動向との関連

同社は、2024年度末の自動車約7,861万台に対し、月極や住宅の車庫を除く駐車場が約568万台、自動車1万台あたり723台と説明している。駐車場不足と予約・決済のデジタル化が事業機会だが、供給の質と場所の利便性が競争力を左右する。

株価への示唆

上場承認時点では公開価格が決まっておらず、PERや時価総額を使った評価はできない。業績面では営業利益率が改善しているが、株価評価には2026年通期予想の達成確度、潜在株式の扱い、売出しを含む需給が織り込まれる。公開価格が決まった後は、予想営業利益340百万円に対する時価総額と、売上成長率12.3%のバランスを確認する必要がある。

今期の総括

2025年12月期は売上高38.28億円、営業利益2.01億円、当期純利益2.23億円となり、売上高は前年同期比20.0%増、営業利益は同559.7%増だった。2026年中間も利益を確保したが、前年同期値が開示されていないため、伸びの加速度は次回以降の比較で確認する。

来期見通し

2026年12月期は売上高43.00億円、営業利益3.40億円、経常利益3.41億円、当期純利益3.02億円を予想する。売上高は前期比12.3%増、営業利益は同69.1%増の計画である。供給面では自社営業・パートナー開拓、オーナーモード、API連携を進め、需要面では検索広告やCRM、SNSなどを使う。即時利用型やサブスクリプション型の開発も進めるが、新用途の業績寄与は予想に織り込まれていない。

年間配当予想は0.00円である。会社は当面、内部留保の充実を優先する方針を示している。

総合判断

総合判断は中立である。中間期は営業利益率が改善し、駐車場供給と利用者が増えている点は確認できる。一方、上場前でPERを算定できず、通期予想の進捗、公開価格、売出しと潜在株式を含む需給が評価を大きく左右する。次回は掲載数だけでなく、台あたり売上高と営業利益率が同時に伸びるかを確認したい。

出典

  • 日本取引所グループ「新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)」、2026年8月18日提出
  • akippa「2026年12月期の業績予想について」、2026年8月18日公表
  • 日本取引所グループ「新規上場会社情報」
  • akippa公式IR「東京証券取引所スタンダード市場への上場承認に関するお知らせ」