決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 271.54億円 | 255.43億円 | +6.3% | 289.50億円 | 該当なし |
| 営業利益 | 14.93億円 | 16.85億円 | -11.4% | 17億円 | 該当なし |
| 経常利益 | 12.55億円 | 14.78億円 | -15.1% | 14.50億円 | 該当なし |
| 純利益 | 8.03億円 | 10.22億円 | -21.4% | 9.50億円 | 該当なし |
| EPS | 60.22円 | 77.84円 | -22.6% | 69.9円 | 該当なし |
通期決算では会社計画欄に次期予想を置いているため、進捗率は該当なしとしています。
セグメント
国内事業の売上収益は216.75億円(前期比5.0%増)、セグメント利益は14.37億円(同6.0%減)だった。採用と出店が進み、「ツキイチキャンペーン」の対象拡大などで来店客数は増えたが、人件費などの増加が利益を圧迫した。
海外事業は売上収益54.94億円(同11.9%増)、セグメント利益0.56億円(同64.1%減)。台湾の成長やシンガポールの回復が増収に寄与した一方、香港と米国では価格改定後の客数回復に時間を要した。カナダ、ベトナム、マレーシアでは運営基盤の構築を進めている。なお、セグメント売上の合計は271.69億円で、連結売上収益との差額0.15億円はセグメント間取引の消去・調整に当たる。
財務安全性
総資産は357.19億円、親会社所有者帰属持分は154.50億円、親会社所有者帰属持分比率は43.3%だった。営業キャッシュ・フローは51.05億円の流入、投資キャッシュ・フローは17.45億円の流出、財務キャッシュ・フローは41.35億円の流出となり、現金及び現金同等物は46.60億円。営業CFは前期の42.99億円から増えたが、財務CFの流出も大きく、現金残高は前期末から6.11億円減少した。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | -22.6% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 5.3% | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は5.5%、総資産経常利益率は3.6%です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
売上収益は前期比6.3%増えた。国内では採用と出店が進み、キャンペーン施策も来店客数の増加につながった。既存店の客数と新店の立ち上がりが、来期の利益回復を左右する。
売上規模の確認
海外事業は台湾の成長とシンガポールの回復を背景に、売上収益が前期比11.9%増えた。利益は落ち込んだものの、売上基盤の拡大自体は確認できる。
財務基盤
営業キャッシュ・フローは51.05億円と前期比18.7%増え、営業利益を大きく上回った。減益決算でも本業からの資金流入が増えた点は下支え材料になる。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
国内事業は増収ながらセグメント利益が6.0%減少し、海外事業のセグメント利益は64.1%減少した。来店客数の回復と人件費負担を吸収できなければ、増収が利益に結びつきにくい。
販売数量・コスト前提の変動
2027年6月期は売上収益289.50億円、営業利益17億円を見込む。営業利益率は5.9%程度へ改善する計画であり、国内の人員配置効率化と海外の客数回復が前提となる。
市場評価の変動可能性
財務キャッシュ・フローは41.35億円の流出となり、期末現金は前期末比6.11億円減った。営業CFは堅調だが、返済や配当などを含む資金流出と現金水準の推移を見ておきたい。
業界動向との関連
短時間ヘアカットは、店舗網とスタッフの稼働率が収益性を左右する労働集約型の事業である。値上げは単価改善につながる一方、客数が減れば固定費を吸収しにくい。国内では採用した人材の早期戦力化、海外では市場ごとの価格受容性と客数回復が重要になる。
株価への示唆
増収基調と営業CFの増加は支えになる一方、国内外での利益率低下は評価を抑える要因となる。株価の再評価には、会社予想どおり営業利益が増益へ転じること、とりわけ海外事業の採算回復が必要になる。市場データは取得していないため、理論株価の算定は保留する。
今期の総括
2026年6月期は国内外とも増収だったが、国内の人件費負担や海外の客数回復の遅れにより減益となった。連結営業利益率は前期の6.6%から5.5%へ低下した。一方、営業CFは増加しており、利益面の弱さとキャッシュ創出力を分けて評価する必要がある。
来期見通し
2027年6月期は売上収益289.50億円(前期比6.6%増)、営業利益17億円(同13.8%増)、税引前利益14.50億円(同15.5%増)、親会社株主に帰属する当期利益9.50億円(同18.3%増)を予想する。年間配当は40円を据え置く計画。次回以降は、海外事業の利益回復、国内の人件費吸収、営業利益率5.9%程度への改善を確認したい。
総合判断
総合判断は中立。売上収益と営業CFは伸びたが、国内外で採算が悪化し、連結営業利益は2桁減益となった。会社は来期の増益転換を見込むため、海外の客数と利益、国内の生産性、営業利益率の回復が判断材料になる。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2026年6月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」、キュービーネットHD、開示日: 2026-08-13