決算サマリー
| 項目 | 2026年3月期 | 前期 | 前期比 | 2027年3月期会社予想 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 967.68億円 | 917.24億円 | +5.5% | 994.00億円 |
| 営業利益 | 24.31億円 | 22.70億円 | +7.1% | 17.50億円 |
| 経常利益 | 20.62億円 | 14.67億円 | +40.5% | 5.10億円 |
| 純利益 | 2.17億円 | 4.11億円 | -47.2% | 0.10億円 |
| EPS | 24.98円 | 49.14円 | -49.2% | 1.15円 |
売上は伸びたものの、訂正後は営業利益の伸びが7.1%に縮小し、純利益は減益へ転じた。通期記事の会社計画は翌期予想であり、進捗率の比較対象ではない。
セグメント
| セグメント | 売上高 | 前期比 | セグメント利益 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 自動車機器事業 | 404.68億円 | +15.9% | 10.38億円 | +173.0% |
| エネルギーソリューション事業 | 241.42億円 | -1.6% | 22.92億円 | -18.8% |
| 電子機器事業 | 309.56億円 | -0.1% | 13.08億円 | +24.3% |
| その他 | 12.01億円 | -5.9% | △0.31億円 | 前期は△1.81億円 |
自動車機器は生産性と材料費率の改善で利益が伸びた。対してエネルギーソリューションは販売価格下落と新機種開発費が重く、最大の利益源ながら減益となった。各事業利益の合計から全社費用等21.76億円を調整し、連結営業利益24.31億円となる。セグメント売上高合計と連結売上高の0.01億円差は端数処理による。
財務安全性
| 項目 | 2026年3月期末 | 2025年3月期末 |
|---|---|---|
| 総資産 | 839.43億円 | 792.78億円 |
| 純資産 | 141.68億円 | 115.53億円 |
| 自己資本比率 | 16.7% | 14.4% |
| 営業CF | △13.79億円 | 35.88億円 |
自己資本比率は改善したが、16.7%はなお低い。原材料・仕掛品の増加などで営業CFは赤字へ転じ、投資CFも12.70億円の赤字だった。利益よりキャッシュを厳しく見る局面である。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | -49.2% | 前期比 | 訂正後は減益 |
| 営業利益率 | 2.5% | 前期2.5% | 売上増に対して横ばい |
| ROE | 1.7% | 前期3.8% | 資本効率は低下 |
| PER | 市場データ未反映 | - | 本資料だけでは算定しない |
売上高は過去最高圏でも、利益率とキャッシュへの転換が弱い。訂正によって純利益の質への警戒も残った。
ポジティブ要因
自動車機器の採算改善
自動車機器は売上高404.68億円、セグメント利益10.38億円。米国関税の影響を受けながらも、生産性と材料費率の改善が利益を押し上げた。
電子機器の利益回復
電子機器は売上高が0.1%減だった一方、セグメント利益は24.3%増の13.08億円となった。省人化による製造原価低減が寄与している。
リスク要因
訂正で利益の見え方が一変
営業利益は27.53億円から24.31億円、経常利益は27.38億円から20.62億円、純利益は8.19億円から2.17億円へ訂正された。主因は連結子会社間の内部取引の会計処理であり、再発防止と開示管理も確認点となる。
来期利益計画が急減
2027年3月期は売上高994.00億円を見込む一方、営業利益17.50億円、経常利益5.10億円、純利益0.10億円を計画する。増収でも利益が残らない構図で、原材料、為替、金利負担と事業別採算が重い。
業界動向との関連
自動車機器は内燃機関車向け需要と米国関税、エネルギーソリューションは蓄電システムの競争激化、電子機器は空調・事務機器需要の影響を受ける。需要テーマより、価格転嫁と製造原価低減が利益率へ結び付くかが問われる。
株価への示唆
強気に傾く条件は、来期計画を上回る営業利益と営業CFの黒字回復である。中立では自動車機器の改善とエネルギーソリューション減益が相殺する。弱気では訂正への不信、自己資本比率16.7%、来期純利益0.10億円が重なる。市場データを用いないため理論株価は算定しない。
今期の総括
2026年3月期は増収、営業増益を確保したが、訂正後の純利益は前期比47.2%減となった。自動車機器の改善だけでは、エネルギーソリューション減益と全社費用、営業CF赤字を打ち返せていない。
来期見通し
会社は2027年3月期に売上高2.7%増、営業利益28.0%減、経常利益75.3%減、純利益95.4%減を見込む。年間配当は25円予想だが、予想EPS1.15円との乖離が大きく、利益・キャッシュ・還元の持続性を同時に見る必要がある。
訂正開示の反映
2026年6月29日の訂正は、連結子会社間の内部取引の会計処理などを修正し、損益、財政状態、キャッシュ・フロー、EPS、セグメント数値を訂正後全文へ差し替えた。本記事の数値は訂正後資料に統一している。
総合判断
総合判断は弱気である。売上と自動車機器利益は伸びたが、訂正後の純利益減少、営業CF赤字、低い自己資本比率、来期急減益計画が上回る。次回は営業CF、エネルギーソリューション採算、訂正後の内部管理を確認したい。
出典
- ダイヤモンドエレクトリックホールディングス株式会社「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」2026年5月15日開示
- ダイヤモンドエレクトリックホールディングス株式会社「(訂正・数値データ訂正)『2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)』の一部訂正に関するお知らせ」2026年6月29日開示