デンソー 6902 2027年3月期第1四半期決算 売上高19138.68億円(+9.1%) 営業利益: 841.78億円 売上高: 19138.68億円 リスク: 為替変動 在庫評価・回転 kabutrack.com

決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上高19138.68億円17541.37億円+9.1%77500億円24.7%
営業利益841.78億円1072.05億円-21.5%5000億円16.8%
経常利益1126.34億円1402.27億円-19.7%5530億円20.4%
親会社帰属利益678.75億円792.68億円-14.4%3820億円17.8%
EPS25.51円28.5円-10.5%150.08円17.0%

会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。

セグメント

地域別では、日本の売上収益が1兆1100億円(前年同期比9.5%増)に対し営業利益は76億円(同43.3%減)となった。北米は売上5381億円、営業利益253億円と増収増益だったが、欧州は品質費用により86億円の営業損失へ転落した。アジアも売上4892億円に対して営業利益418億円(同12.2%減)であり、増収と採算の方向がそろっていない。

財務安全性

総資産は8兆7960億円、親会社所有者帰属持分比率は58.1%で、前期末の62.9%から低下した。営業キャッシュ・フローは2389.58億円の流入、投資キャッシュ・フローは1067.68億円の支出で、単純差額は1321.90億円のプラスである。自己株式取得などで資本が前期末比4026億円減った点も併せて確認したい。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率-10.5%当期EPSと前年同期EPSEPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。
ROE非開示決算短信の収益性指標自己資本に対する利益効率を確認する材料です。
ROIC直接記載なし営業利益・総資産など投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。
PER推移市場データ未反映過去レンジとの比較は未実施株価評価では別途市場データの確認が必要です。

営業利益率は4.4%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。

ポジティブ要因

増収でも利益率は低下

車両販売増と電動化・知能化製品の拡販で売上収益は9.1%増えたが、営業利益率は前年同期の6.1%から4.4%へ低下した。売上の伸びが部材高と先行投資を吸収できていない。

通期売上予想を上方修正

通期売上収益予想は7兆7500億円へ引き上げた。第2四半期以降の前提は1ドル153円、1ユーロ180円で、営業利益予想5000億円は据え置いている。

財務基盤

自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は58.1%、純資産は53132.86億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。

リスク要因

欧州の赤字と品質費用

欧州は前年同期の52億円の営業利益から86億円の損失へ悪化した。品質費用が一過性にとどまるか、追加負担へ広がるかで連結利益の見え方が変わる。

販売数量・コスト前提の変動

次期または通期予想は売上高77500億円、営業利益5000億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。

市場評価の変動可能性

決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。

業界動向との関連

業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。

株価への示唆

中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。

今期の総括

今期は売上収益1兆9138.68億円(前年同期比9.1%増)、営業利益841.78億円(同21.5%減)、親会社帰属利益678.75億円(同14.4%減)となった。車両販売増と円安で売上は伸びたが、部材高、成長投資、欧州の品質費用が利益を押し下げた。売上予想の上方修正だけでなく、営業利益率の回復を確認したい。

来期見通し

来期または通期見通しでは、売上高77500億円、営業利益5000億円、経常利益5530億円、純利益3820億円、EPS150.08円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。

総合判断

総合判断は中立。売上収益は9.1%増えたが、営業利益は21.5%減、親会社帰属利益は14.4%減となった。通期売上予想の上方修正に対し営業利益予想は据え置きであり、欧州の赤字、部材高、成長投資を吸収して利益率が戻るかが次の確認点である。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。

  • 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」、デンソー、開示日: 2026-07-31