決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 208.80億円 | 168.45億円 | +23.9% | 873億円 | 23.9% |
| 営業利益 | 8.51億円 | 5億円 | +70.2% | 53.60億円 | 15.9% |
| 経常利益 | 13.15億円 | 5.30億円 | +148% | 60.40億円 | 21.8% |
| 純利益 | 16.29億円 | 4.19億円 | +288.4% | 77.40億円 | 21.0% |
| EPS | 43.88円 | 11.3円 | +288.3% | 208.42円 | 21.1% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
KOAは地域別の報告セグメントを開示しています。2027年3月期第1四半期の外部顧客向け売上高は、日本64.89億円、アジア70.27億円、アメリカ34.18億円、ヨーロッパ39.44億円でした。前年同期比では日本が52.17億円から増加、アジアも55.45億円から伸び、AI関連機器、ディストリビューター、産業機器、自動車向け需要の回復が売上を押し上げました。
| セグメント | 外部顧客向け売上高 | 前年同期 | 売上構成比 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 64.89億円 | 52.17億円 | 31.1% | 8.54億円 |
| アジア | 70.27億円 | 55.45億円 | 33.7% | -1.29億円 |
| アメリカ | 34.18億円 | 26.71億円 | 16.4% | 1.46億円 |
| ヨーロッパ | 39.44億円 | 34.10億円 | 18.9% | 2.13億円 |
セグメント利益の合計は10.85億円で、調整額-2.34億円を反映した連結営業利益は8.51億円です。売上の伸びは広い地域で出ていますが、アジアは増収でもセグメント損失となっており、在庫調整や原価・価格条件の改善が続くかが次の確認点になります。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +288.3% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は4.1%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
営業利益は8.51億円、前年比は+70.2%です。増益そのものより、営業利益率4.1%が次の四半期でも保てるかが見られます。
売上規模の確認
売上高は208.80億円、前年比は+23.9%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は60.2%、純資産は910.06億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高873億円、営業利益53.60億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
財務安全性
財務安全性では、総資産1511.84億円、純資産910.06億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率60.2%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高208.80億円(+23.9%)、営業利益8.51億円(+70.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益16.29億円(+288.4%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高873億円、営業利益53.60億円、経常利益60.40億円、純利益77.40億円、EPS208.42円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。判断の根拠は、売上高208.80億円、営業利益8.51億円、純利益16.29億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、KOA、開示日: 2026-07-23