決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 149.66億円 | 89.05億円 | +68.1% | 非開示 | 該当なし |
| 営業利益 | 86.73億円 | 40.95億円 | +111.8% | 非開示 | 該当なし |
| 経常利益 | 88.09億円 | 41.62億円 | +111.6% | 非開示 | 該当なし |
| 純利益 | 66.09億円 | 30.21億円 | +118.7% | 非開示 | 該当なし |
| EPS | 1709.90円 | 468.60円 | +264.9% | 非開示 | 該当なし |
会社側は、投資運用・顧問業の業績が経済情勢や相場環境に大きく影響されるとして、2025年3月期の業績予想を開示していません。
過去2期比較
| 決算期 | 営業収益 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024年3月期 | 149.66億円 | 86.73億円 | 88.09億円 | 66.09億円 | 58.0% |
| 2023年3月期 | 89.05億円 | 40.95億円 | 41.62億円 | 30.21億円 | 46.0% |
営業収益は68.1%増、営業利益は111.8%増。利益の伸びが売上の伸びを大きく上回っており、成功報酬が乗った時の収益レバレッジはかなり強い。
ただ、こういう決算は市場が評価しやすい反面、翌期以降の再現性を必ず問われる。成功報酬の大幅増は強みだが、ストック型収益と同じようには扱いにくい。
報酬構造
| 項目 | 2024年3月期 |
|---|---|
| 運用資産残高 | 1兆3080億円 |
| 基本報酬 | 59.42億円 |
| 成功報酬 | 89.07億円 |
基本報酬は前期比2.4%増で、ほぼ横ばい。大きく変わったのは成功報酬です。成功報酬は前期比203.1%増となり、営業収益の伸びを主導しました。
同社を見る時は、基本報酬を基礎収益、成功報酬を変動収益として分けるのが自然です。2024年3月期は、その変動収益が強く出た年でした。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +264.9% | 当期EPSと前年同期EPS | 株式分割考慮後でも大きく伸びています。 |
| ROE | 62.9% | 決算短信の収益性指標 | 資本効率は非常に高い水準です。 |
| 営業利益率 | 58.0% | 営業収益と営業利益 | 成功報酬が効いた高収益決算です。 |
| 自己資本比率 | 64.4% | 決算短信の財政状態 | 財務安全性も高い水準です。 |
ポジティブ要因
成功報酬の急拡大
成功報酬は89.07億円で、前期比203.1%増となりました。これが2024年3月期の営業収益と利益を大きく押し上げています。
高い営業利益率
営業利益率は58.0%です。投資運用・顧問業の収益構造が強く出ており、費用増を吸収しても高い利益率を維持しました。
キャッシュ創出力
営業キャッシュ・フローは75.17億円のプラスです。現金及び現金同等物の期末残高は122.29億円まで増えました。
リスク要因
成功報酬の変動性
2024年3月期の利益拡大は成功報酬の寄与が大きい。市場環境や運用成績が変わると、翌期以降の利益水準は大きく変動します。
業績予想非開示
2025年3月期の業績予想は非開示です。事業特性を考えれば理解できますが、投資家にとっては利益の置きどころが難しい会社です。
PRO Market銘柄としての流動性
同社はTOKYO PRO Market銘柄です。決算数字が強くても、一般市場銘柄と同じ流動性を前提にしにくい点は残ります。
財務安全性
財務安全性では、総資産189.06億円、純資産121.93億円、自己資本比率64.4%を確認します。現金及び現金同等物の期末残高は122.29億円です。
キャッシュ・フローは営業CF75.17億円、投資CF11.97億円、財務CF-35.15億円でした。財務CFのマイナスは、主に自己株式取得による支出です。
業界動向との関連
投資運用・顧問業は、相場環境とファンド運用成績の影響を強く受けます。2024年3月期は成功報酬が大きく伸び、同社の収益性が一気に見えた年でした。
ただし、成功報酬が大きい年ほど、翌期のハードルも上がります。市場は、基本報酬の積み上がりと成功報酬の再現性を分けて評価します。
株価への示唆
株価への示唆は中立です。収益力、ROE、営業CFは非常に強い。一方で、業績予想が非開示で、成功報酬の再現性も読みづらい。
この決算だけを見ると強いが、翌期以降も同じ利益水準を前提にできるかは別問題です。
今期の総括
2024年3月期は、営業収益149.66億円、営業利益86.73億円、純利益66.09億円という内容でした。
成功報酬が大きく伸び、営業利益率は58.0%まで上昇しました。非常に強い決算ですが、変動収益の強さも同時に見える内容です。
来期見通し
2025年3月期の業績予想は非開示です。
会社側は、投資運用・顧問業が経済情勢や相場環境によって大きな影響を受けるため、将来の業績予想は難しいと説明しています。
総合判断
総合判断は中立である。2024年3月期は、成功報酬が大きく伸びたことで高収益が実現した決算です。
次回は、運用資産残高、基本報酬、成功報酬、営業CFを分けて確認したいところです。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、シンプレクス・ファイナンシャル・ホールディングス、開示日: 2024-05-30