決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 162.54億円 | 149.66億円 | +8.6% | 非開示 | 該当なし |
| 営業利益 | 93.37億円 | 86.73億円 | +7.7% | 非開示 | 該当なし |
| 経常利益 | 94.48億円 | 88.09億円 | +7.3% | 非開示 | 該当なし |
| 純利益 | 70.56億円 | 66.09億円 | +6.8% | 非開示 | 該当なし |
| EPS | 2742.90円 | 1709.90円 | +60.4% | 非開示 | 該当なし |
会社側は、投資運用・顧問業の業績が経済情勢や相場環境によって大きく影響されるとして、2026年3月期の業績予想を開示していません。
過去2期比較
| 決算期 | 営業収益 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 162.54億円 | 93.37億円 | 94.48億円 | 70.56億円 | 57.4% |
| 2024年3月期 | 149.66億円 | 86.73億円 | 88.09億円 | 66.09億円 | 58.0% |
前年の伸びが大きすぎたため、2025年3月期は一見するとやや地味に見える。ただ、営業利益率57.4%という水準は、一般的な金融・運用関連会社と比べてもかなり高い。問題は、これを安定収益として見てよいかどうかだ。
報酬構造
| 決算期 | 運用資産残高 | 基本報酬 | 成功報酬 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 1兆2973億円 | 67.21億円 | 93.19億円 |
| 2024年3月期 | 1兆3080億円 | 59.42億円 | 89.07億円 |
運用資産残高はわずかに減ったが、基本報酬は増えた。信託報酬料率の高いファンド構成比が上がったことが効いている。ここは良い点である。残高が伸びていなくても、報酬単価の改善で基本報酬を伸ばせている。
一方で、成功報酬は93.19億円と営業収益の大きな部分を占める。利益率の高さは魅力だが、成功報酬が大きい年の利益を、そのまま翌期以降に横置きするのは危うい。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +60.4% | 当期EPSと前年同期EPS | 1株利益は大きく伸びています。 |
| ROE | 50.9% | 決算短信の収益性指標 | 資本効率は極めて高い水準です。 |
| 営業利益率 | 57.4% | 営業収益と営業利益 | 高収益だが、成功報酬の寄与を分けて見る必要があります。 |
| 自己資本比率 | 71.0% | 決算短信の財政状態 | 財務安全性は高い水準です。 |
ポジティブ要因
基本報酬の増加
基本報酬は67.21億円で、前期比13.1%増となりました。運用資産残高は小幅減でしたが、報酬料率の高いファンド構成が効き、安定報酬部分は伸びています。
成功報酬の高水準維持
成功報酬は93.19億円で、前期比4.6%増です。前年に続いて高い成功報酬を計上できた点が、利益水準を支えました。
キャッシュ創出力
営業キャッシュ・フローは74.62億円のプラスです。現金及び現金同等物の期末残高も159.83億円まで増え、財務面には余裕があります。
リスク要因
成功報酬の再現性
同社の利益は成功報酬の影響を大きく受けます。2025年3月期は高水準でしたが、ファンド運用成績や市場環境が変われば、翌期以降の利益は大きく変わります。
業績予想非開示
2026年3月期の業績予想は非開示です。これは事業特性を考えれば自然ですが、投資家から見ると、利益水準の目線を置きにくいという弱点になります。
PRO Market銘柄としての流動性
同社はTOKYO PRO Market銘柄です。決算数字が強くても、一般市場銘柄と同じような流動性や投資家層を前提にしにくい点は残ります。
財務安全性
財務安全性では、総資産219.37億円、純資産155.89億円、自己資本比率71.0%を確認します。現金及び現金同等物の期末残高は159.83億円です。
キャッシュ・フローは営業CF74.62億円、投資CF-0.18億円、財務CF-36.75億円でした。財務CFのマイナスは主に自己株式取得による支出です。
業界動向との関連
投資運用・顧問業は、相場環境、運用資産残高、ファンドの運用成績に左右されます。2025年3月期は、運用資産残高が小幅に減った中でも基本報酬を伸ばした点が目立ちます。
ただし、成功報酬が大きい会社では、好調期の利益率だけを見て割安・高収益と判断しにくい。市場は、基本報酬の積み上がりと成功報酬の変動性を分けて見ます。
株価への示唆
株価への示唆は中立です。基本報酬が伸び、成功報酬も高水準だった点は明確なプラスです。
ただ、2026年3月期予想が非開示で、成功報酬の再現性も読みづらい。利益水準の高さは評価できるが、そのまま継続利益として扱うには少し慎重さが要ります。
今期の総括
2025年3月期は、営業収益162.54億円、営業利益93.37億円、純利益70.56億円という内容でした。
増収増益で、営業利益率も57.4%と高い。ただし、投資家が見るべき焦点は、営業利益率の高さそのものではなく、基本報酬と成功報酬のバランスです。
来期見通し
2026年3月期の業績予想は非開示です。
会社側は、投資運用・顧問業が経済情勢や相場環境によって大きな影響を受けるため、将来の業績予想は難しいと説明しています。
総合判断
総合判断は中立である。収益性、ROE、財務安全性は非常に強い。とはいえ、成功報酬の比率が高く、業績予想も非開示であるため、単純なPER評価だけでは見誤りやすい会社です。
次回は、運用資産残高、基本報酬、成功報酬、営業CFを分けて確認したい決算です。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、シンプレクス・ファイナンシャル・ホールディングス、開示日: 2025-05-29