決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
営業収益225.12億円162.54億円+38.5%非開示該当なし
営業利益139.70億円93.37億円+49.6%非開示該当なし
経常利益142.76億円94.48億円+51.1%非開示該当なし
純利益106.31億円70.56億円+50.7%非開示該当なし
EPS317.33円137.14円+131.4%非開示該当なし

会社側は、投資運用・顧問業の業績が経済情勢や相場環境に大きく影響されるとして、2027年3月期の業績予想を開示していません。

過去3期推移

決算期営業収益営業利益経常利益純利益営業利益率
2026年3月期225.12億円139.70億円142.76億円106.31億円62.1%
2025年3月期162.54億円93.37億円94.48億円70.56億円57.4%
2024年3月期149.66億円86.73億円88.09億円66.09億円58.0%

営業収益は149.66億円、162.54億円、225.12億円と3期連続で拡大しています。営業利益率も50%台後半から60%台前半にあり、収益性はかなり高い会社です。

ただし、伸び方の中身は成功報酬に左右されています。基本報酬は2024年3月期59.42億円、2025年3月期67.21億円、2026年3月期78.69億円と着実に伸びていますが、成功報酬は89.07億円、93.19億円、143.16億円と2026年3月期に大きく跳ねました。

決算期運用資産残高基本報酬成功報酬
2026年3月期1兆3357億円78.69億円143.16億円
2025年3月期1兆2973億円67.21億円93.19億円
2024年3月期1兆3080億円59.42億円89.07億円

この3期推移を見ると、同社は単なる高利益率企業というより、運用資産残高に基づく安定報酬と、相場・運用成績で振れる成功報酬が組み合わさった会社です。市場が見るべきなのは、営業利益の水準そのものより、成功報酬を除いた基礎収益がどこまで積み上がっているかです。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率+131.4%当期EPSと前年同期EPS株式分割考慮後でも大きく伸びています。
ROE58.9%決算短信の収益性指標資本効率は非常に高い水準です。
営業利益率62.1%営業収益と営業利益成功報酬が効いた高収益決算です。
自己資本比率64.6%決算短信の財政状態財務安全性も高い水準です。

数字だけ見ればかなり強い決算です。ただし、成功報酬は相場と運用成績に左右されるため、通常のストック型収益と同じようには見ない方がよいです。

ポジティブ要因

成功報酬の大幅増

成功報酬は143.16億円で、前期比53.6%増となりました。これが営業収益と営業利益を大きく押し上げています。

基本報酬も増加

運用資産残高に基づく基本報酬は78.69億円で、前年比17.1%増です。成功報酬だけでなく、基本報酬も伸びている点は評価材料です。

営業キャッシュ・フロー

営業キャッシュ・フローは116.94億円のプラスです。利益だけでなく、現金創出も強い決算でした。

リスク要因

成功報酬の変動性

投資運用会社の成功報酬は、運用成績と市場環境に左右されます。2026年3月期の成功報酬が大きかったことは強みですが、翌期も同じ水準が続くとは限りません。

業績予想非開示

2027年3月期の業績予想は非開示です。会社側の説明通り、相場環境の影響が大きい事業であるため、投資家は四半期ごとの営業収益、基本報酬、成功報酬を追う必要があります。

PRO Market銘柄としての流動性

同社はTOKYO PRO Market銘柄です。一般市場銘柄と比べて投資家層や流動性が限られやすく、株価評価ではその点も考慮したいところです。

財務安全性

財務安全性では、総資産317.73億円、純資産224.24億円、自己資本比率64.6%を確認します。現金及び現金同等物の期末残高は236.10億円です。

キャッシュ・フローは営業CF116.94億円、投資CF-1.76億円、財務CF-41.71億円でした。財務CFのマイナスは、主に自己株式取得による支出59.15億円が要因です。

業界動向との関連

投資運用・顧問業は、相場環境、運用資産残高、ファンドの運用成績に大きく左右されます。

基本報酬は運用資産残高の積み上がりで比較的見やすい一方、成功報酬は毎期の変動が大きくなりやすい。今回のように成功報酬が大きく伸びた決算では、収益の質を分けて見る必要があります。

株価への示唆

株価への示唆は条件付きです。基本報酬の増加が続き、運用資産残高が安定的に積み上がるなら、収益基盤への評価は高まりやすいです。

一方で、2026年3月期の高利益は成功報酬の寄与が大きい決算です。翌期以降に相場環境が変わり、成功報酬が減る場合、利益水準は大きく変動します。業績予想が非開示である点も、投資家には読みづらさとして残ります。

今期の総括

今期は営業収益225.12億円、営業利益139.70億円、純利益106.31億円という強い内容でした。

運用資産残高は1兆3357億円、基本報酬78.69億円、成功報酬143.16億円。基本報酬と成功報酬の両方が伸びたことが、高い営業利益率につながりました。

来期見通し

2027年3月期の業績予想は非開示です。

会社側は、投資運用・顧問業が経済情勢や相場環境によって大きな影響を受けるため、将来の業績予想は難しいと説明しています。

総合判断

総合判断は中立である。2026年3月期の収益力とキャッシュ創出は非常に強い一方、成功報酬への依存と業績予想非開示を踏まえると、単純に今期利益を翌期へ横置きするのは危険です。

次回は、運用資産残高、基本報酬、成功報酬、営業CFの継続性を確認したい決算です。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。

  • 「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、シンプレクス・ファイナンシャル・ホールディングス、開示日: 2026-05-28
  • 「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、シンプレクス・ファイナンシャル・ホールディングス、開示日: 2025-05-29
  • 「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、シンプレクス・ファイナンシャル・ホールディングス、開示日: 2024-05-30
本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。