決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1756.14億円 | 1639.20億円 | +7.1% | 6900億円 | 25.5% |
| 営業利益 | 36.49億円 | 41.91億円 | -12.9% | 190億円 | 19.2% |
| 経常利益 | 41.02億円 | 39.69億円 | +3.4% | 190億円 | 21.6% |
| 純利益 | 24.74億円 | 26.14億円 | -5.4% | 140億円 | 17.7% |
| EPS | 27.71円 | 29.22円 | -5.2% | 156.65円 | 17.7% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
| 地域 | 外部顧客向け売上高 | 前年同期比 | セグメント利益 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 770.46億円 | +2.4% | 15.42億円 | +1.9% |
| 北米 | 495.17億円 | +9.6% | 12.94億円 | -4.0% |
| 欧州 | 182.39億円 | +17.4% | 3.76億円 | -37.6% |
| 中国 | 103.45億円 | -34.1% | -0.39億円 | 4.53億円の利益から赤字転換 |
| アジア | 204.65億円 | +66.7% | 4.90億円 | +69.7% |
増収をけん引したのは北米、欧州、アジアですが、北米と欧州は為替影響を除く実質的な減収を受けて減益でした。中国は得意先の自動車生産台数減少などで売上が3割超減り、赤字へ転じています。一方、アジアは売上・利益とも大きく伸びました。セグメント利益の合計36.63億円と全社営業利益36.49億円との差は、セグメント間取引消去です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | -5.2% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は2.1%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
営業利益は36.49億円、前年比は-12.9%です。増益そのものより、営業利益率2.1%が次の四半期でも保てるかが見られます。
売上規模の確認
売上高は1756.14億円、前年比は+7.1%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は41.5%、純資産は1464.58億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高6900億円、営業利益190億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
財務安全性
財務安全性では、総資産3355.96億円、純資産1464.58億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率41.5%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高1756.14億円(+7.1%)、営業利益36.49億円(-12.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益24.74億円(-5.4%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高6900億円、営業利益190億円、経常利益190億円、純利益140億円、EPS156.65円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。判断の根拠は、売上高1756.14億円、営業利益36.49億円、純利益24.74億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、フタバ産業、開示日: 2026-07-30