決算サマリー

項目当期実績前期実績増減率2026年12月期会社計画進捗率
売上高19.27億円15.28億円+26.1%18.38億円該当なし
営業利益2.14億円0.46億円+362.3%1.11億円該当なし
経常利益2.04億円0.43億円+368.0%1.01億円該当なし
当期純利益0.44億円-0.14億円黒字転換0.70億円該当なし
EPS50.00円-16.46円黒字転換80.06円該当なし

通期決算の会社計画欄は次期予想であり、当期に対する進捗率は該当なしとした。2025年12月期は売上・営業利益とも大きく改善したが、2026年12月期の会社計画は営業利益47.7%減で、反動減を織り込んだ見通しである。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率黒字転換EPS50.00円、前期-16.46円最終黒字へ戻ったが、利益水準はまだ小さい。
ROE6.4%決算短信の自己資本当期純利益率黒字回復後としては改善途上。
営業利益率11.1%前期3.0%メディア事業の採算改善が効いた。
PER推移市場データ未反映株価データ別途確認通常のPER評価には、次期EPS80.06円の達成可能性確認が必要。

売上高は26.1%増、営業利益は約4.6倍に伸びた。営業CFも2.67億円のプラスで、利益とキャッシュの方向はそろっている。ただし、次期計画は営業減益であり、この利益率がそのまま続く前提には置きにくい。

ポジティブ要因

メディア事業の増収増益

メディア事業は売上高16.40億円(前期比31.7%増)、セグメント利益4.65億円(同35.4%増)だった。ベビーカレンダー、ムーンカレンダー、ヨムーノなどの運営メディアで、PV連動型広告、タイアップ広告、成果報酬型広告、専門家監修コンテンツ制作支援を広げたことが寄与した。

営業利益率の改善

営業利益率は前期の3.0%から11.1%へ改善した。売上総利益も13.27億円(前期比31.0%増)となっており、単なる売上拡大ではなく、編集業務を中心とした生産性改善も利益に出ている。

医療法人向け事業も黒字化

医療法人向け事業は売上高2.88億円(前期比2.0%増)、セグメント利益0.19億円となった。前期は0.03億円のセグメント損失だったため、ベビーパッドシリーズや予約・動画関連サービス、Webマーケティング支援の採算改善は小さいながらプラス材料である。

リスク要因

2026年12月期は減収減益計画

会社計画は売上高18.38億円(前期比4.6%減)、営業利益1.11億円(同47.7%減)である。2025年12月期の高い営業利益率をそのまま延長できる計画ではなく、市場は良い決算より先に、次期の減益要因を気にしやすい。

YouTube広告収益停止の影響

会社は一部YouTubeチャンネルで広告収益の停止が発生しており、一定期間にわたり売上高・利益に影響が生じる見込みと説明している。メディア企業として、外部プラットフォームの運用方針変更に収益が振られる点は明確なリスクである。

内部統制と開示信頼の回復

同社は前取締役CFOによる売上・現金の着服認定を受け、過年度訂正と内部統制報告書の訂正を行っている。2025年12月期決算は監査対象外の短信だが、投資家の目線では、業績そのものと同じくらい入金管理、広告収益管理、三様監査の改善状況が問われる。

財務安全性

総資産は18.00億円、純資産は7.27億円、自己資本比率は39.8%である。営業CFは2.67億円、投資CFは0.68億円の支出、財務CFは1.32億円の収入、期末現金及び現金同等物は7.20億円だった。財務が直ちに危険という水準ではないが、訂正関連費用引当金0.80億円、長期借入金の増加もあり、利益の回復だけで安心しきれる局面ではない。

業界動向との関連

同社は妊娠・出産・育児領域を起点に、女性のライフステージ、シニア、暮らし領域へメディアを広げている。広告市場は景況感とプラットフォーム規約に左右されやすく、専門家監修・医療監修コンテンツは差別化要因になる一方、制作品質と管理体制への要求も高い。医療法人向け事業はストック性を作れる余地があるが、現時点ではメディア事業の比重が大きい。

株価への示唆

株価への示唆は中立である。営業利益2.14億円、営業利益率11.1%、営業CF2.67億円は素直に改善材料だが、次期会社計画は営業利益1.11億円で大幅減益を見込む。良い数字は出た。問題は織り込みではなく、継続性である。広告収益停止の影響、内部統制改善、2026年12月期第2四半期以降のメディア事業利益率が確認できるまでは、市場は一気に強気へ傾きにくい。

今期の総括

2025年12月期は、売上高19.27億円、営業利益2.14億円、当期純利益0.44億円と、損益面では明確に回復した。メディア事業の拡大と生産性改善が効き、営業黒字の質も前期より良くなっている。ただし、過年度訂正を経た直後の決算であり、成長企業として評価を戻すには、数字だけでなく管理体制の信用回復が必要になる。

来期見通し

2026年12月期は、売上高18.38億円、営業利益1.11億円、経常利益1.01億円、当期純利益0.70億円、EPS80.06円を計画する。メディア事業では生成AIを含むテクノロジー活用や専門家監修コンテンツの拡大を進める一方、一部YouTubeチャンネルの広告収益停止を織り込む。最終利益は増益計画だが、営業利益は減益であり、税負担や一時費用を除いた本業の利益率が焦点になる。

総合判断

総合判断は中立である。2025年12月期の営業利益回復と営業CF黒字は評価できるが、2026年12月期は営業減益計画で、広告収益停止と内部統制改善という確認材料が残る。次回決算では、メディア事業のセグメント利益、営業CF、広告収益の安定性を優先して見たい。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信および同日開示の過年度訂正関連資料を基に作成しています。

  • ベビーカレンダー「2025年12月期決算短信〔日本基準〕(非連結)」、開示日: 2026-06-30
  • ベビーカレンダー「過年度有価証券報告書等の訂正報告書の提出及び過年度決算短信等の訂正に関するお知らせ」、開示日: 2026-06-30