ナンシン(7399)の2027年3月期中間期物流機器の出荷停滞とコスト高で営業赤字。自己資本比率が高く営業CFが黒字でも、販売回復と利益率改善は別の課題になる2027年3月期中間期|2026年11月6日開示ナンシン(7399)物流機器の出荷停滞とコスト高で営業赤字売上高43.78億円営業利益-0.71億円EPS-7.21円自己資本比率が高く営業CFが黒字でも、販売回復と利益率改善は別の課題になるkabutrack.com

決算サマリー

項目 当期実績 前年同期 増減率 通期会社予想 進捗率
売上高 43.78億円 47.24億円 -7.3% 97.00億円 45.1%
営業利益 -0.71億円 0.33億円 赤字転落 2.00億円 ―
経常利益 -0.42億円 0.88億円 赤字転落 2.50億円 ―
純利益 -0.47億円 -0.37億円 赤字拡大 1.80億円 ―
EPS -7.21円 -5.48円 赤字拡大 27.75円 ―

短信表紙は百万円表示、本文の金額は億円へ換算。CFと事業別表は各原表の単位を確認して換算した。増減率は会社開示を基本とし、EPSなどの計算値は表示額からの概算。進捗率は累計実績を通期予想で割った単純計算で、季節性や下期の費用を織り込んだ予測ではない。EPSの進捗率は示さない。

セグメント

事業・区分 当期売上 前年売上 増減率 当期利益 前年利益
日本 40.70億円 44.63億円 -8.8% -1.05億円 -0.08億円
マレーシア 0.91億円 0.50億円 +81.5% -0.94億円 -0.22億円
中国 2.17億円 2.11億円 +2.8% 0.86億円 0.72億円

外部顧客への売上高。利益は会社のセグメント利益であり、全社費用等の調整を区別する。

セグメント利益の合計-1.13億円と全社の営業利益-0.71億円との差額は0.42億円。全社費用や消去等の調整を含むため、個々の事業利益をそのまま全社利益とみなさない。

財務安全性

総資産139.90億円、純資産・資本合計118.87億円。自己資本比率・親会社帰属持分比率は85%。資産評価や利益の蓄積を含む資本の厚さと、営業活動の資金収支は分けて確認する。

営業CFは4.57億円、投資CFは-1.48億円、財務CFは-3.51億円。現金同等物の残高は30.11億円。営業・投資CFの単純合計は3.09億円だが、投資CFには設備取得のほか資産売却や有価証券の取得等も含まれる。

定量評価

EPSは当期-7.21円、前年同期-5.48円。増減率は赤字拡大。利益総額に加えて期中平均株式数も影響する。営業利益率は-1.6%、前年は0.7%。増収の大きさだけでなく、売上に対して残る利益を比較する。

単独四半期の比較では、7〜9月の売上22.12億円・営業利益-0.16億円に対し、その前の4〜6月は売上21.66億円・営業利益-0.55億円。累計開示の差額から求めた概数で、独立した会社予想ではない。前年同期比と異なり季節性や納入時期の影響があるため、連続的な伸びとは断定しない。

2026-09-30時点の発行済株式数は7,708,000株、自己株式は1,294,764株。期中平均株式数は6,485,804株で、EPSはこの平均株式数を基にした実績。期末株式数と期中平均は基準が異なるため、期末株式数でEPSを再計算しない。

指標 確認範囲
EPSの前年同期比較 赤字拡大
ROIC 投下資本・税率の仮定を置いた推計は行っていない
PER推移 同時点の株価と過去レンジの比較は行っていない

会社の通期営業利益予想2.00億円に対し、累計実績との差額は2.71億円。これは会社予想から実績を引いた計算で、残る期間の独立した会社予想ではない。

ポジティブ要因

日本は売上40.70億円で最も大きい。同区分の利益は-1.05億円。 売上43.78億円はあるが、営業利益は-0.71億円の損失であり、黒字の事業と全社費用の差を確認する必要がある。

リスク要因

自己資本比率が高く営業CFが黒字でも、販売回復と利益率改善は別の課題になる。通期の営業黒字予想に向け、顧客需要、販売価格と海外生産コストの差を確認する。

業界動向との関連

ナンシンでは、物流機器の出荷停滞と医療向け需要の減速で減収となり、価格改定や原価低減でもコスト上昇を吸収できなかった。事業別の売上と採算が同じ方向に動くかが、輸送用機器という業種全体の印象よりも今回の数字を理解する手掛かりになる。

株価への示唆

ナンシンの決算を評価する際は、当期の営業利益-0.71億円から、通期予想2.00億円へつながる受注・販売・採算の条件を確かめる。営業CF4.57億円は利益と異なる動きも示すため、債権・在庫・債務の増減と合わせて収益の質を確認する。業績の改善が確認できても、発表前の期待や価格に織り込まれていれば、株価が同じ方向に動くとは限らない。

今期の総括

物流機器の出荷停滞とコスト高で営業赤字。営業CF4.57億円は利益と異なる動きも示すため、債権・在庫・債務の増減と合わせて収益の質を確認する。

来期見通し

通期会社予想は売上高97.00億円、営業利益2.00億円、純利益1.80億円、EPS27.75円。会社予想と実績を分け、進捗の高低だけで上振れ・下振れを断定しない。 配当の会社開示は、期末予想 10.00円、年間予想 20.00円、中間実績 10.00円。実績と予想を区別し、株式分割がある場合は1株額の基準日も合わせる。会社予想

総合判断

弱気。自己資本比率が高く営業CFが黒字でも、販売回復と利益率改善は別の課題になる。国内の円安による仕入負担に加え、海外子会社の現地通貨高も採算に影響した。

出典