決算サマリー
| 項目 | 2026年4月期 | 2025年4月期 | 増減率 | 2027年4月期会社予想 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 368.38億円 | 368.90億円 | -0.1% | 480.00億円 |
| 営業利益 | 11.19億円 | 7.62億円 | +46.7% | 22.00億円 |
| 経常利益 | 12.70億円 | 8.94億円 | +42.0% | 22.00億円 |
| 純利益 | 6.59億円 | 2.51億円 | +162.0% | 10.50億円 |
| EPS | 81.12円 | 29.85円 | +171.8% | 132.14円 |
| 年間配当 | 31.00円 | 33.00円 | -2.00円 | 40.00円 |
2027年4月期予想は、売上高+30.3%、営業利益+96.6%、純利益+59.2%の計画である。配当予想も年間40円とされ、2026年4月期の31円から増配を見込む。
ここは株価材料になりやすい。ただし、伸び率が大きい分、達成には自動車関連設備、北米、東南アジア、物流・自働化領域の進捗が必要になる。
定量評価
| 指標 | 2026年4月期 | 見方 |
|---|---|---|
| 売上高営業利益率 | 3.0% | 前期2.1%から改善 |
| 自己資本利益率(ROE) | 3.4% | 改善したが、資本効率はまだ高いとは言いにくい |
| 総資産経常利益率 | 4.0% | 前期2.9%から改善 |
| 自己資本比率 | 62.9% | 財務安全性は高い |
| 営業CF | 27.72億円 | 利益を大きく上回るキャッシュ創出 |
| 現金及び現金同等物 | 47.59億円 | 前期末から増加 |
利益率は改善したが、営業利益率3.0%という水準はまだ薄い。今期は前期に受注損失引当金繰入額を計上していた反動もあり、営業利益の伸びをそのまま構造改善と見るには少し早い。
一方で、営業CF27.72億円はかなり良い。売上債権の減少、棚卸資産の減少なども効いており、利益よりキャッシュが強い決算になっている。
セグメント別の見方
| 地域 | 売上高 | 前期比 | 営業損益 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 270.79億円 | -9.6% | 8.21億円 | +24.0% |
| 北米 | 68.14億円 | +78.8% | 1.48億円 | +37.0% |
| 中国 | 13.79億円 | -16.0% | -0.57億円 | 赤字継続 |
| 東南アジア | 26.26億円 | +11.9% | 1.79億円 | +36.7% |
日本は、自動車関連企業向け生産設備の売上減で減収となった。ただ、前期に受注損失引当金繰入額を計上していたことなどから営業利益は増えた。
北米は、前年に実施したM&Aに伴う連結子会社の増加が効き、大幅増収となった。東南アジアも自動車関連企業向け生産設備の増加で増収増益だった。
気になるのは中国である。事業再編によるコスト削減は進めているが、自動車関連企業向け生産設備の売上減で営業赤字が残った。
ナ・デックスは、自動車関連設備の循環と地域別の設備投資動向を強く受ける。日本だけを見ても、北米だけを見ても読み切れない会社である。
ポジティブ要因
利益率改善と営業CFの強さ
売上は横ばいだが、営業利益は46.7%増えた。
営業CFも27.72億円と強い。税金等調整前当期純利益12.93億円に加え、売上債権の減少23.22億円、棚卸資産の減少9.52億円が資金増加要因となった。
売上成長が乏しい中でも、キャッシュが出ている点は評価できる。
2027年4月期の計画が強い
2027年4月期は、売上高480億円、営業利益22億円を見込む。
営業利益は前期比96.6%増である。かなり強い計画だ。
会社は、2027年4月期を最終年度とする中期経営計画に基づき、人手不足、人件費高騰、環境問題への対応など顧客課題に対するソリューション提案を進めるとしている。
この計画が数字に変わるなら、株価は見直されやすい。
Robofull子会社化で自働化・物流分野を強化
決算後の重要な後発事象として、ナ・デックスは2026年5月25日付でRobofullを子会社化した。取得原価は445百万円である。
Robofullは、ロボットを中心とした自働化設備の設計・製作・販売を行う会社で、ナ・デックスは物流分野を重要な成長機会と位置付けている。
この買収は、ファクトリーオートメーション事業の競争力強化という点では筋が通る。
ただし、買収効果が売上・利益にどれだけ乗るかはこれからの確認事項である。
リスク要因
売上はまだ伸びていない
2026年4月期の売上高は前期比0.1%減だった。
利益は伸びたが、売上成長はまだ確認できていない。営業利益の改善には、前期の受注損失引当金繰入額の反動も含まれるため、今期の増益をそのまま来期以降へ延長するのは危うい。
中国の赤字と自動車関連設備の循環
中国は営業赤字が続いている。
また、同社の主要得意先である自動車関連企業では、海外市場でEV販売に一服感が出ていると会社側も説明している。EV関連や自動車設備投資の局面が変わると、案件のタイミングや採算に影響が出やすい。
強い会社計画の達成ハードル
来期の営業利益22億円計画は、見た目にはかなり強い。
市場が素直に評価するには、1Qから受注・売上・利益率が計画線上に乗っていることを確認したい。計画が強いほど、初動でつまずいた場合の失望も大きくなる。
財務安全性
財務面は比較的安定している。
| 項目 | 2026年4月期 |
|---|---|
| 総資産 | 320.22億円 |
| 純資産 | 205.96億円 |
| 自己資本比率 | 62.9% |
| 現金及び現金同等物 | 47.59億円 |
| 営業CF | 27.72億円 |
| 投資CF | -7.62億円 |
| 財務CF | -9.77億円 |
自己資本比率62.9%は高く、財務安全性は良い。
営業CFも強く、投資CFと財務CFを吸収して現金残高は増えた。株主還元では、自己株式取得による支出3.86億円、配当金支払2.86億円も実施している。
財務が弱い会社ではない。
問題は、財務安全性ではなく収益性の水準である。
株価への示唆
ナ・デックスの今回の決算は、短期的にはポジティブに見られやすい。
理由は3つある。
まず、売上横ばいでも営業利益が大きく改善したこと。
次に、営業CFが強かったこと。
そして、2027年4月期に営業利益22億円という大幅増益計画を出したことだ。
一方で、注意点もはっきりしている。
営業利益率はまだ3.0%で、構造的な高収益企業というより、設備投資循環と案件採算に左右される会社である。ROEも3.4%にとどまり、資本効率はまだ物足りない。
株価が持続的に見直されるには、2027年4月期の計画が単なる反動増ではなく、ソリューション領域拡大と自働化・物流分野の成長によるものだと確認される必要がある。
数字は良い。次は質である。
今期の総括
2026年4月期は、売上高368.38億円、営業利益11.19億円、純利益6.59億円だった。
売上はほぼ横ばいながら、利益とキャッシュは改善した。日本は減収だが利益改善、北米と東南アジアは伸び、中国は赤字継続という構図である。
全体としては、回復途中の決算である。
営業CFの強さは評価できるが、売上成長と資本効率はまだこれから。2027年4月期の強い計画をどこまで実現できるかが、次の評価軸になる。
来期見通し
2027年4月期の会社予想は、売上高480億円、営業利益22億円、経常利益22億円、純利益10.50億円、EPS132.14円である。
年間配当は40円を見込む。
前期比では売上高+30.3%、営業利益+96.6%、純利益+59.2%となる。かなり高いハードルである。
自動車関連設備の需要、北米のM&A効果、東南アジアの伸び、Robofull子会社化による物流・自働化領域の展開。これらがどこまで数字に出るかを見たい。
総合判断
総合判断は中立である。
2026年4月期は、売上横ばいでも利益とキャッシュが改善した点は評価できる。財務安全性も高い。
ただし、営業利益率3.0%、ROE3.4%という水準を見ると、まだ高収益企業として評価するには早い。来期の営業利益22億円計画は魅力的だが、達成確認が必要である。
投資家が次に見るべきは、売上高480億円の実現可能性、営業利益率の改善、そしてRobofullを含む自働化・物流分野が新しい成長柱になるかどうかだ。
良い決算である。
ただし、市場が本当に評価するのは、来期計画の初速である。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- ナ・デックス「2026年4月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、開示日: 2026-06-11