訂正の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開示日 | 2026年6月30日 |
| 会社名 | ニチリョク(7578) |
| 開示名 | 【再訂正】過年度の決算短信等の訂正に関するお知らせ |
| 主な原因 | 差入保証金の評価に係る見積り前提と関連数値の集計方法の追加精査 |
| 対象 | 2022年3月期から2026年3月期第3四半期までの決算短信等 |
今回の再訂正は、2026年5月21日に開示した過年度決算訂正の後、2026年3月期有価証券報告書の監査手続の過程で追加の修正が必要になったものだ。会計上の論点は、霊園関連の差入保証金について、販売実績や回収見通しを踏まえて回収期間を見直し、現在価値評価や貸倒引当金を調整する点にある。
主な業績影響
2022年3月期通期は、総資産、純資産、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも訂正前後で影響額0百万円とされた。したがって、この期だけを見れば損益インパクトはない。
一方、2024年3月期通期は売上高28.48億円、営業利益2.80億円、経常利益1.51億円、当期純利益2.10億円へ修正された。2025年3月期通期は売上高22.39億円、営業損失1.01億円、経常損失2.94億円、当期純損失4.18億円となり、経常利益と当期純利益はそれぞれ11百万円悪化した。
四半期では、2026年3月期第1四半期の当期純損失が1.82億円、第2四半期の当期純利益が5.98億円、第3四半期の当期純利益が3.85億円へ修正されている。個別の影響額は小さい期も多いが、対象期間が長い点は軽くない。
投資家が見るポイント
今回の再訂正は、売上急減や事業撤退のような営業面の開示ではない。むしろ、差入保証金という貸借対照表項目の見積り、回収期間、現在価値評価、貸倒引当金の妥当性が中心である。霊園事業では契約、販売実績、回収条件が長期にわたりやすく、見積りの置き方で財務数値の見え方が変わる。
市場が気にするのは、訂正後の一株利益だけではない。5月の訂正後にさらに再訂正となったことで、会計見積りのチェック体制、監査対応、開示管理の精度が問われる。数字の修正幅が限定的でも、信頼コストは別に残る。
株価への示唆
株価への示唆は中立である。2022年3月期通期には損益影響がなく、2025年3月期通期も修正額は経常損失・当期純損失で11百万円の悪化にとどまる。ただし、過年度から複数四半期にわたる再訂正であり、投資家は業績水準よりも開示の安定性を見やすい。次の決算では、霊園関連の回収見通し、貸倒引当金、差入保証金の残高と説明の一貫性が確認点になる。
総合判断
総合判断は中立である。今回の再訂正は、2022年3月期通期だけなら業績影響はないが、複数期間にわたる会計見積りの再修正であり、企業評価では信頼回復の時間を見込む必要がある。短期的な株価材料としては大きな増減益要因より、開示品質への警戒感が残る内容だ。
出典
本記事は、対象企業が開示した訂正開示を基に作成しています。
- ニチリョク「【再訂正】過年度の決算短信等の訂正に関するお知らせ」、開示日: 2026-06-30