決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 通期会社予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 28.66億円 | 22.92億円 | +25.0% | 123.00億円 | 23.3% |
| 営業利益 | 0.97億円 | 1.11億円 | -13.2% | 6.60億円 | 14.7% |
| 経常利益 | 0.99億円 | 1.11億円 | -11.5% | 6.70億円 | 14.8% |
| 四半期純利益 | 0.52億円 | 0.92億円 | -43.3% | 4.09億円 | 12.8% |
| EPS | 9.89円 | 17.42円 | -43.2% | 77.11円 | 12.8% |
進捗率は通期会社予想に対する単純計算です。外食企業は出店時期、販促、季節性、人件費の発生タイミングで利益がぶれやすく、第1四半期だけで通期の達成可否を判断するのは早いです。
注目ポイント
既存店売上は強い
「ステーキのあさくま」業態の既存店売上高は、2026年4月まで41カ月連続で前年を上回りました。第1四半期累計の既存店売上高前年比は115.2%です。これは外食株としてかなり見栄えの良い数字です。
肉の日イベント、食べ放題イベント、顧客参加型のメニュー開発など、既存店の来店動機を作る施策が効いています。売上の伸び方だけを見れば、店舗ブランドの勢いは続いています。
出店で売上は伸びたが、利益は減った
第1四半期は、2月に「ステーキのあさくま西梅田ハービスプラザ店」、3月に「カレーのあさくま栄スカイル店」、4月に「ステーキのあさくま尾張旭店」「ステーキのあさくま東海加木屋店」を開業しました。
新店は売上の押し上げ要因になりますが、開業費、人件費、教育費、広告宣伝、初期オペレーションの負担も出ます。今回の営業減益は、売上不振というより出店攻勢の先行費用です。ここは冷静に分けて見たいところです。
店舗数は82店舗に拡大
第1四半期末の店舗数は、直営店78店舗、FC店4店舗の合計82店舗です。会社は2027年1月期に「ステーキのあさくま」「カレーのあさくま」「厳選もつ酒場 エビス参」の3業態で10店舗以上の出店を計画しています。
出店余地があるのはポジティブです。ただ、外食株は出店すれば必ず利益が増えるわけではありません。新店の立ち上がり、既存店とのカニバリ、人手不足、原材料費を吸収できるかが勝負になります。
財務と収益性
総資産は50.27億円、純資産は34.48億円、自己資本比率は68.6%です。財務は比較的しっかりしています。配当予想は0円で据え置きです。
売上総利益率をざっくり見ると、売上高28.66億円に対して売上原価13.15億円。原価負担は外食企業として無視できません。加えて出店費用が重なると、営業利益率は3.4%まで下がります。ここから利益率を戻せるかが、株価評価の焦点になります。
リスク要因
出店費用が想定以上に重くなるリスク
10店舗以上の出店計画は成長材料ですが、同時に費用先行リスクでもあります。新店が想定どおり立ち上がらない場合、売上は増えても利益が残りにくくなります。外食株でよくある「増収なのに利益がついてこない」形です。
人件費・原材料費の上昇
ステーキ業態は、肉の仕入れ価格、人件費、光熱費の影響を受けます。イベントや増量企画で集客できても、原価率が上がれば利益は削られます。既存店売上が強い今こそ、価格改定と商品ミックスの管理が大事になります。
純利益の落ち込み
四半期純利益は0.52億円で、前年同期比-43.3%でした。前年同期に法人税等還付税額を計上していた反動もありますが、最終利益の落ち方は大きく見えます。営業利益だけでなく、税金費用や一時要因も分けて読む必要があります。
株価への示唆
今回の決算は、外食株としての売上モメンタムは強いです。既存店41カ月連続プラス、売上+25.0%、新店立ち上げ。ここまでは市場が好みやすい材料です。
ただ、利益進捗は営業利益14.7%、純利益12.8%にとどまります。通期予想を達成するには、下期にかけて新店費用が落ち着き、既存店の強さが利益に変わる必要があります。市場はまだ「売上は良い。利益はこれから」という見方になりやすい決算です。
現時点の評価は中立です。売上の勢いはポジティブ。ただし、出店費用を吸収して営業利益率を戻せるかを確認するまでは、強気に寄せすぎない方がよさそうです。
今期の総括
あさくまの2027年1月期第1四半期は、売上高28.66億円、営業利益0.97億円、四半期純利益0.52億円でした。既存店は強く、新規出店も進んでいます。一方で、利益は先行費用に押されました。
外食株は売上が戻ると期待されやすいですが、本当に評価されるのは利益率が戻ったときです。次回は、新店の立ち上がりと既存店売上の継続、そして営業利益率の改善を確認したい決算です。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年1月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」、あさくま、開示日: 2026-06-10
- あさくま 公式サイト