決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 22745.42億円 | 21985.67億円 | +3.5% | 48000億円 | 47.4% |
| 営業利益 | 2305.95億円 | 2143.08億円 | +7.6% | 4650億円 | 49.6% |
| 経常利益 | 2520.74億円 | 2223.19億円 | +13.4% | 4920億円 | 51.2% |
| 純利益 | 1711.84億円 | 1559.04億円 | +9.8% | 3400億円 | 50.3% |
| EPS | 197.51円 | 169.16円 | +16.8% | 398.84円 | 49.5% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
| セグメント | 外部顧客向け売上高 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| プリンティング | 1兆2,378.91億円 | +1.6% | 1,575.25億円 | +5.0% |
| メディカル | 2,768.57億円 | -0.8% | 83.43億円 | -29.2% |
| イメージング | 5,525.18億円 | +16.9% | 976.22億円 | +38.8% |
| インダストリアル | 1,436.36億円 | -9.1% | 174.47億円 | -33.1% |
| その他・全社 | 636.40億円 | -10.0% | -500.33億円 | ― |
イメージングが増収増益をけん引した一方、メディカルとインダストリアルは減益でした。その他・全社には本社部門の研究開発費などが含まれます。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +16.8% | 当期EPSと前年同期EPS | 純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 中間期の決算短信に通期ROEの記載はありません。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は10.1%です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
営業利益は2305.95億円、前年比は+7.6%です。増益そのものより、営業利益率10.1%が次の四半期でも保てるかが見られます。
売上規模の確認
売上高は22745.42億円、前年比は+3.5%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
親会社株主帰属持分比率は54.6%、純資産は3兆6,870.79億円です。資本の厚みは確認できますが、事業採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高48000億円、営業利益4650億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
財務安全性
財務安全性では、総資産6兆3,781.55億円、純資産3兆6,870.79億円、親会社株主帰属持分比率54.6%を確認します。中間期末の現金及び現金同等物は4,955.46億円でした。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高22745.42億円(+3.5%)、営業利益2305.95億円(+7.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益1711.84億円(+9.8%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高48000億円、営業利益4650億円、経常利益4920億円、純利益3400億円、EPS398.84円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。判断の根拠は、売上高22745.42億円、営業利益2305.95億円、純利益1711.84億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔米国基準〕(連結)」、キヤノン、開示日: 2026-07-27