決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 280.68億円 | 249.86億円 | +12.3% | 550億円 | 51.0% |
| 営業利益 | 24.54億円 | 16.11億円 | +52.4% | 38.74億円 | 63.3% |
| 経常利益 | 24.99億円 | 15.67億円 | +59.4% | 40億円 | 62.5% |
| 純利益 | 16.41億円 | 10.59億円 | +54.8% | 25.66億円 | 64.0% |
| EPS | 185.38円 | 119円 | +55.8% | 289.75円 | 64.0% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
中本パックスは印刷関連事業の単一セグメントとして開示しており、会計上の事業別利益はありません。製品用途別売上では食品関連181億4,600万円(前年同期比14.4%増)、IT・工業材関連52億3,400万円(同13.4%増)、生活資材関連21億8,500万円(同7.6%減)、建材関連11億9,700万円(同34.6%増)、医療・医薬関連8億1,200万円(同0.6%増)でした。食品包材とIT・工業材が増収を支え、生活資材は減収です。
財務安全性
財務安全性では、総資産437.76億円、純資産236.50億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率51.5%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF8.30億円、投資CF-9.58億円、財務CF9.02億円、現金及び現金同等物の期末残高84.21億円です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +55.8% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は8.7%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業増益
営業利益は24.54億円で、前年同期比52.4%増です。増益幅に加え、営業利益率8.7%を次の四半期でも保てるかが見られます。
売上規模の確認
売上高は280.68億円、前年比は+12.3%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は51.5%、純資産は236.50億円です。資本余力は、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは8.30億円です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高550億円、営業利益38.74億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
業界動向との関連
中本パックスでは食品関連が売上の約65%を占め、IT・工業材関連も前年同期比13.4%増でした。生活資材は7.6%減と用途ごとの差があり、樹脂・紙などの原材料転嫁と製品構成が利益率を左右する構図です。
株価への示唆
評価の下支え材料はあります。ただし、強い数字が事前に織り込まれている銘柄では、もう一段の上方修正や利益率改善がないと反応は鈍くなります。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高280.68億円(+12.3%)、営業利益24.54億円(+52.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益16.41億円(+54.8%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高550億円、営業利益38.74億円、経常利益40億円、純利益25.66億円、EPS289.75円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。判断の根拠は、売上高280.68億円、営業利益24.54億円、純利益16.41億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年2月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」、中本パックス、開示日: 2026-10-13