決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 8.94億円 | 19.81億円 | -54.9% | 61.48億円 | 14.5% |
| 営業利益 | -1.13億円 | 0.48億円 | 赤字転落 | -4.28億円 | 26.4% |
| 経常利益 | -1.48億円 | 0.12億円 | 赤字転落 | -5.89億円 | 25.1% |
| 純利益 | -1.68億円 | -0.06億円 | 赤字拡大 | 35.73億円 | -4.7% |
| EPS | -64.82円 | -2.59円 | 赤字拡大 | 1378.7円 | -4.7% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | 赤字拡大 | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は-12.6%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
佐倉工場は6月10日に再開
小火で停止していた佐倉工場は、四半期末後の2026年6月10日に生産を再開しました。第1四半期には保険金3.10億円を特別利益に計上していますが、次回は工場再開が売上と営業損益の回復につながるかが焦点です。
売上規模の確認
売上高は8.94億円、前年比は-54.9%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は5.6%、純資産は14.74億円です。ここが薄い会社では、赤字の大小よりも赤字が何四半期続けられるかを市場は見ます。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
純利益予想は固定資産売却益依存
通期予想は売上高61.48億円、営業損失4.28億円、経常損失5.89億円と、本業の赤字継続を見込みます。一方、純利益は新木場の本社・旧工場の譲渡で約42.50億円の売却益を計上する予定のため35.73億円。会計上の黒字と本業の収益力は分けて見る必要があります。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
財務安全性
財務安全性では、総資産109.38億円、純資産14.74億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率5.6%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
市場はまだ信用しにくい内容です。売上、利益率、キャッシュのうち少なくとも一つがはっきり改善しないと、決算を買う理由は作りにくいでしょう。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高8.94億円(-54.9%)、営業利益-1.13億円、親会社株主に帰属する当期純利益-1.68億円という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
通期見通しは売上高61.48億円、営業損失4.28億円、経常損失5.89億円、純利益35.73億円、EPS1,378.70円です。純利益とEPSは固定資産売却益で押し上げられるため、佐倉工場再開後の稼働率、営業赤字の縮小、自己資本比率5.6%の改善を優先して確認します。
総合判断
総合判断は弱気。判断の根拠は、売上高8.94億円、営業利益-1.13億円、純利益-1.68億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年2月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、東京ボード工業、開示日: 2026-07-13