決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 5344.83億円 | 4027.98億円 | +32.7% | 10500億円 | 50.9% |
| 営業利益 | 1204.86億円 | 811.32億円 | +48.5% | 1950億円 | 61.8% |
| 経常利益 | 1165.98億円 | 786.26億円 | +48.3% | 1890億円 | 61.7% |
| 純利益 | 821.71億円 | 536.06億円 | +53.3% | 1200億円 | 68.5% |
| EPS | 115.93円 | 75円 | +54.6% | 169.3円 | 68.5% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
地域別売上高は日本1060.94億円、北米946.96億円、欧州1666.00億円、中華圏810.48億円、オセアニア289.64億円、東南・南アジア314.92億円、その他322.71億円だった。セグメント利益は順に285.95億円、190.79億円、346.93億円、197.97億円、38.30億円、76.30億円、56.65億円で、全地域が増収増益である。特に欧州は売上高46.4%増、利益63.1%増と全体をけん引した。
財務安全性
財務安全性では、総資産6793.79億円、純資産3604.24億円、自己資本比率52.8%を確認します。営業CFは588.29億円、投資CFは-140.41億円、財務CFは-174.68億円、現金及び現金同等物は1413.95億円です。利益拡大を背景に営業CFは前年同期比124.17億円増え、投資と株主還元後も現金残高は前期末から291.73億円増加しました。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +54.6% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は22.5%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
営業利益は1204.86億円、前年比は+48.5%です。増益そのものより、営業利益率22.5%が次の四半期でも保てるかが見られます。
売上規模の確認
売上高は5344.83億円、前年比は+32.7%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は52.8%、純資産は3604.24億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業CFは588.29億円の収入で、前年同期から124.17億円増加しました。売上債権は430.49億円増えたものの、税引前利益と減価償却費が資金創出を支え、投資CFと財務CFの支出を吸収しています。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高10500億円、営業利益1950億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高5344.83億円(+32.7%)、営業利益1204.86億円(+48.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益821.71億円(+53.3%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高10500億円、営業利益1950億円、経常利益1890億円、純利益1200億円、EPS169.3円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。判断の根拠は、売上高5344.83億円、営業利益1204.86億円、純利益821.71億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」、アシックス、開示日: 2026-08-14