長瀬産業(8012)の2027年3月期中間期半導体・食品素材と市況上昇が増益に寄与。原料市況上昇が一巡した後の利益率と販売数量を確認する2027年3月期中間期|2026年11月6日開示長瀬産業(8012)半導体・食品素材と市況上昇が増益に寄与売上高5,725.87億円営業利益363.13億円EPS80.32円原料市況上昇が一巡した後の利益率と販売数量を確認するkabutrack.com

決算サマリー

項目 当期実績 前年同期 増減率 通期会社予想 進捗率
売上高 5,725.87億円 4,797.34億円 +19.4% 10,850.80億円 52.8%
営業利益 363.13億円 210.58億円 +72.4% 585.00億円 62.1%
経常利益 363.85億円 207.17億円 +75.6% 580.00億円 62.7%
純利益 327.07億円 150.89億円 +116.7% 480.00億円 68.1%
EPS 80.32円 35.36円 +127.1% 118.23円 ―

短信表紙は百万円表示、本文の金額は億円へ換算。CFと事業別表は各原表の単位を確認して換算した。増減率は会社開示を基本とし、EPSなどの計算値は表示額からの概算。進捗率は累計実績を通期予想で割った単純計算で、季節性や下期の費用を織り込んだ予測ではない。EPSの進捗率は示さない。

セグメント

事業・区分 当期売上 前年売上 増減率 当期利益 前年利益
マテリアル 2,905.89億円 2,429.94億円 +19.6% 160.24億円 101.68億円
エレクトロニクス 1,009.11億円 846.63億円 +19.2% 111.85億円 70.42億円
ライフサイエンス 1,810.44億円 1,520.30億円 +19.1% 69.09億円 39.10億円
その他 0.40億円 0.45億円 -11.1% 3.30億円 1.95億円
全社 0.00億円 0.00億円 ― 17.48億円 -6.21億円

外部顧客への売上高。利益は会社のセグメント利益であり、全社費用等の調整を区別する。

セグメント利益の合計361.96億円と全社の営業利益363.13億円との差額は1.17億円。全社費用や消去等の調整を含むため、個々の事業利益をそのまま全社利益とみなさない。

財務安全性

総資産9,644.58億円、純資産・資本合計4,689.52億円。自己資本比率・親会社帰属持分比率は47.7%。資産評価や利益の蓄積を含む資本の厚さと、営業活動の資金収支は分けて確認する。

営業CFは-208.86億円、投資CFは-61.14億円、財務CFは289.09億円。現金同等物の残高は476.00億円。営業・投資CFの単純合計は-270.00億円だが、投資CFには設備取得のほか資産売却や有価証券の取得等も含まれる。

定量評価

EPSは当期80.32円、前年同期35.36円。増減率は+127.1%。利益総額に加えて期中平均株式数も影響する。営業利益率は6.3%、前年は4.4%。増収の大きさだけでなく、売上に対して残る利益を比較する。

同じ会計範囲・利益定義でそろう前四半期との比較は示していない。累計の前年同期比較を中心に確認する。

2026-09-30時点の発行済株式数は439,633,140株、自己株式は33,992,247株。期中平均株式数は407,208,062株で、EPSはこの平均株式数を基にした実績。期末株式数と期中平均は基準が異なるため、期末株式数でEPSを再計算しない。

指標 確認範囲
EPSの前年同期比較 +127.1%
ROIC 投下資本・税率の仮定を置いた推計は行っていない
PER推移 同時点の株価と過去レンジの比較は行っていない

会社の通期営業利益予想585.00億円に対し、累計実績との差額は221.87億円。これは会社予想から実績を引いた計算で、残る期間の独立した会社予想ではない。

ポジティブ要因

マテリアルは売上2,905.89億円で最も大きい。同区分の利益は160.24億円。その他の利益3.30億円も合わせ、売上規模と利益貢献を分けて読む。 営業利益は前年210.58億円から当期363.13億円へ増えた。

リスク要因

原料市況上昇が一巡した後の利益率と販売数量を確認する。セグメント・全社費用配賦が変更されており、旧区分と単純比較せず、在庫と売上債権による営業CFの負担も見る。

業界動向との関連

長瀬産業では、半導体分野とPrinovaの改善、市況高騰下の供給対応が粗利益を押し上げた。事業別の売上と採算が同じ方向に動くかが、卸売業という業種全体の印象よりも今回の数字を理解する手掛かりになる。

株価への示唆

長瀬産業の決算を評価する際は、当期の営業利益363.13億円から、通期予想585.00億円へつながる受注・販売・採算の条件を確かめる。営業CF-208.86億円は利益と異なる動きも示すため、債権・在庫・債務の増減と合わせて収益の質を確認する。業績の改善が確認できても、発表前の期待や価格に織り込まれていれば、株価が同じ方向に動くとは限らない。

今期の総括

半導体・食品素材と市況上昇が増益に寄与。営業CF-208.86億円は利益と異なる動きも示すため、債権・在庫・債務の増減と合わせて収益の質を確認する。

来期見通し

通期会社予想は売上高10,850.80億円、営業利益585.00億円、純利益480.00億円、EPS118.23円。会社予想と実績を分け、進捗の高低だけで上振れ・下振れを断定しない。 配当の会社開示は、期末予想 15.00円、年間予想 30.00円、中間実績 15.00円。実績と予想を区別し、株式分割がある場合は1株額の基準日も合わせる。会社予想(修正あり)

総合判断

中立。原料市況上昇が一巡した後の利益率と販売数量を確認する。営業利益には退職給付費用の減少、純利益には政策保有株式の売却も寄与し、販売の成長だけでは説明できない。

出典