決算サマリー

項目当期実績前期実績増減率来期会社計画
売上高26,627億円25,546億円+4.2%30,000億円
営業利益584億円615億円-5.0%625億円
純利益383億円455億円-15.9%400億円
EPS193.13円230.91円-16.4%205.64円

増収ながら営業利益率は2.2%で、商社らしい低マージン構造が続いている。

訂正開示の確認

2026年6月18日に、2026年3月期決算短信の一部訂正が開示された。訂正対象はセグメント情報の「有形固定資産及び無形固定資産の増加額」で、連結財務諸表計上額は97.17億円から70.88億円へ修正された。連結貸借対照表、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書に訂正はないため、本記事の売上高、営業利益、純利益、営業CFの数値は変更しない。

定量評価

EPS成長率は16.4%減、ROEは9.4%、自己資本比率は35.3%である。営業CFは743億円の黒字、現金及び現金同等物は855億円だった。2026年5月12日観測の株価1,739円に対し、来期予想EPSでみたPERは約8.5倍である。

ポジティブ要因

売上拡大

売上高は4.2%増となり、一次産品や海外販売子会社の拡大が寄与した。

営業CF黒字

営業CFは743億円の黒字で、運転資金を含めてキャッシュ創出が確認できる。

来期増益計画

来期は営業利益6.9%増、純利益4.5%増を見込む。

リスク要因

利益率低下

売上増でも営業減益で、セグメント別の採算悪化が課題である。

リサイクルメタル悪化

リサイクルメタル事業の損益悪化が利益を押し下げた。

市況感応度

鉄鋼・非鉄・資源関連は価格変動を受けやすい。当該業界は景気循環の影響を強く受けるため、業績は一定ではありません。

財務安全性

総資産は1兆2,127億円、純資産は4,330億円、自己資本比率は35.3%で中位である。営業CFは743億円の黒字、財務CFはマイナス476億円で、運転資金管理は改善している。

業界動向との関連

鉄鋼商社は鉄鋼需要、在庫循環、資源価格、為替の影響を受ける。数量拡大が利益に直結しない場合もあり、採算管理と市況変動への耐性が重要である。

株価への示唆

株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

シナリオ想定PER予想EPS理論株価
弱気6倍205.64円1,234円
中立8倍205.64円1,645円
強気10倍205.64円2,056円

現在株価は中立シナリオをやや上回る。リサイクルメタルの改善と市況安定が進む場合は上振れ余地がある一方、採算悪化が続く場合は下振れる可能性がある。

今期の総括

2026年3月期は増収ながら減益となり、売上成長と利益率の方向が分かれた。商社としての市況対応力とセグメント採算が次の確認点である。

来期見通し

2027年3月期は売上高3兆円、営業利益625億円、純利益400億円を計画する。増収増益見通しだが、市況と在庫評価の影響を受ける可能性がある。

総合判断

総合判断は中立である。PERは低めだが、今期は営業減益で利益率が課題である。来期はリサイクルメタルと鉄鋼関連の採算回復を確認したい。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。

  • 阪和興業株式会社「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、2026年5月12日開示
  • 阪和興業株式会社『(訂正・数値データ訂正)「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正のお知らせ』、2026年6月18日開示