決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 通期会社予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 14769.34億円 | 12791.41億円 | +15.5% | 30000億円 | 49.2% |
| 営業利益 | 368.13億円 | 277.17億円 | +32.8% | 700億円 | 52.6% |
| 経常利益 | 357.38億円 | 238.56億円 | +49.8% | 650億円 | 55.0% |
| 純利益 | 230.07億円 | 167.34億円 | +37.5% | 450億円 | 51.1% |
| EPS | 119.15円 | 83.58円 | +42.6% | 234.62円 | ― |
金額は公式開示を億円へ換算した。増減率は会社開示値を基本とし、EPSなどの計算値は表示値を用いた概算。端数処理のため金額から再計算した率に小幅な差がある。進捗は累計実績を通期会社予想で割った単純計算で、季節性や費用発生の時期を示すものではない。
7〜9月単独の売上高は約7,583.61億円、営業利益は約162.41億円。前四半期比(QoQ)はそれぞれ+5.5%、-21.1%。累計開示の差額に基づく概算で、季節性や費用計上時期を含む。
セグメント
| 事業・区分 | 当期売上 | 前年同期 | 当期利益 | 前年同期利益 |
|---|---|---|---|---|
| 鉄鋼 | 5,221.72億円 | 5,236.39億円 | 165.66億円 | 175.62億円 |
| プライマリーメタル | 1,136.57億円 | 1,008.27億円 | 18.83億円 | -12.22億円 |
| リサイクルメタル | 1,762.59億円 | 1,255.51億円 | 46.01億円 | 2.49億円 |
| 食品 | 792.26億円 | 710.66億円 | 18.09億円 | 18.48億円 |
| エネルギー・生活資材 | 2,343.15億円 | 1,836.34億円 | 86.43億円 | 39.69億円 |
| 海外販売子会社 | 2,859.86億円 | 2,128.53億円 | 31.42億円 | 27.22億円 |
| その他 | 653.16億円 | 615.67億円 | 8.88億円 | 10.53億円 |
売上は外部顧客向け。事業概況の内部取引込み売上とは区別した。利益は経常利益ベースで、合計375.34億円から17.96億円の調整を行い連結357.38億円となる。前年値は区分変更後の組替値。
リサイクルメタルは利益が2.49億円から46.01億円へ拡大。エネルギー・生活資材も86.43億円へ増加し、資源価格と数量確保が寄与した。鉄鋼は大型工事の進捗減などで減益、食品もサケの数量減等で減益となり、増益が全事業へ均等に広がったわけではない。
財務安全性
総資産1兆3022.42億円、自己資本比率34.3%。有利子負債は4272.29億円へ19.6%増加し、ネット負債倍率は0.8倍となった。営業CFはマイナス159.84億円、投資CFはマイナス487.52億円、財務CFはプラス518.03億円。現金同等物は740.77億円へ減少した。
定量評価
EPSは119.15円で、前年同期83.58円との比較は+42.6%。最終利益の変化に加え、期中平均株式数の影響も受ける。営業利益率は約2.5%(前年約2.2%)。売上の規模と採算を分けて評価する。
| 指標 | 確認できる値・範囲 | 読み方 |
|---|---|---|
| EPS成長 | +42.6% | 分割換算と株式数の変化に注意 |
| ROIC | 本短信に当該期の開示値なし | 税率・投下資本の仮定による推計は行わない |
| PER推移 | 算定せず | 同一時点の株価と比較期間を確認していないため |
2026年9月30日の発行済株式数は211,663,200株、自己株式数は19,866,741株。EPSは期中平均株式数で計算するため、期末の発行済株式数から自己株式を引いて割った値とは一致しない。1株利益の伸びは利益総額の伸びと区別して確認する。
ポジティブ要因
資源・リサイクル分野で利益率が改善し、営業利益は32.8%増加した。プライマリーメタルでは持分法投資損益も黒字へ転換。売上は商品価格の上昇に影響されるが、利益面にも改善が表れており、単なる名目売上の増加だけではない。
リスク要因
仕入債務の減少や棚卸資産の増加が営業CFを圧迫した。商品価格が下がれば売上単価と在庫採算の双方が変化し得る。投資と商流拡大を借入等で支えているため、金利上昇や債権回収遅延が利益を削る可能性もある。資源高による利益を恒常成長として扱わない。
業界動向との関連
専門商社では資源価格と取扱数量が売上を大きく動かし、利益は加工・物流機能や取引条件、持分法投資先の採算にも依存する。阪和興業は鉄鋼だけでなく非鉄、食品、エネルギーを扱うため、鉄鋼市況だけで連結の方向を説明しない。分野別の収益改善と運転資金を同時に確認する必要がある。
株価への示唆
次回はリサイクル・エネルギーの採算維持、鉄鋼の大型案件、在庫と仕入債務の変化を見る。利益の増加が営業CFの回復へつながれば財務の裏付けは強まる。自己資本比率にハイブリッドローンの資本性を考慮した会社指標もあるが、会計上の34.3%とは区別して扱う。
今期の総括
利益計画の引き上げを確認した一方、営業CF赤字と有利子負債の増加が残る。資源・リサイクルの改善を評価しながら、拡大した商流を現金回収までつなげられるかを追いたい。
来期見通し
売上計画3兆円は据え置き、営業利益を625億円から700億円、経常利益を570億円から650億円、純利益を400億円から450億円へ引き上げた。配当は中間33円、期末33円予想の年間66円。4月の1対5分割後で、前年分割前290円と直接比較しない。次年度予想は今回ない。
総合判断
中立。次回はリサイクル・エネルギーの採算維持、鉄鋼の大型案件、在庫と仕入債務の変化を見る。資源・リサイクルの改善を評価しながら、拡大した商流を現金回収までつなげられるかを追いたい。
出典
- 阪和興業 公式IR・決算資料:2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年11月6日開示。