決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 912.96億円 | 910.80億円 | +0.2% | 1300億円 | 70.2% |
| 営業利益 | 32.80億円 | 22.72億円 | +44.3% | 32億円 | 102.5% |
| 経常利益 | 35.72億円 | 25.90億円 | +37.9% | 35億円 | 102.1% |
| 純利益 | 25.75億円 | 17.18億円 | +49.8% | 24億円 | 107.3% |
| EPS | 752.42円 | 500.66円 | +50.3% | 701.22円 | 107.3% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
当該決算短信に記載された事業別売上高とセグメント利益・損失は次のとおり。金額は百万円単位。
| 区分 | 売上高 | セグメント利益・損失 |
|---|---|---|
| 食品事業 | 59,374百万円 | 2,448百万円 |
| 海洋事業 | 14,087百万円 | 355百万円 |
| 機械事業 | 9,090百万円 | 928百万円 |
| 資材事業 | 6,544百万円 | 350百万円 |
| バイオティックス事業 | 267百万円 | 45百万円 |
| 物流事業 | 1,857百万円 | 10百万円 |
| その他 | 74百万円 | 55百万円 |
各区分の利益を合算した金額は、全社費用や連結調整を反映した営業利益とは一致しない。事業別の採算と連結利益は区別して読む必要がある。
財務安全性
財務安全性では、総資産830.92億円、純資産198.26億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率23.7%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +50.3% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は3.6%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業増益
営業利益は32.80億円で、前年同期比44.3%増です。増益幅に加え、営業利益率3.6%を次の四半期でも保てるかが見られます。
売上規模の確認
売上高は912.96億円、前年比は+0.2%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は23.7%、純資産は198.26億円です。資本余力は、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高1300億円、営業利益32億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
評価の下支え材料はあります。ただし、強い数字が事前に織り込まれている銘柄では、もう一段の上方修正や利益率改善がないと反応は鈍くなります。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高912.96億円(+0.2%)、営業利益32.80億円(+44.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益25.75億円(+49.8%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高1300億円、営業利益32億円、経常利益35億円、純利益24億円、EPS701.22円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は強気。判断の根拠は、売上高912.96億円、営業利益32.80億円、純利益25.75億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「令和4年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、ニチモウ、開示日: 2022-02-10