決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1277.56億円 | 1268.29億円 | +0.7% | 1350億円 | 該当なし |
| 営業利益 | 20.20億円 | 28.74億円 | -29.7% | 34億円 | 該当なし |
| 経常利益 | 25.62億円 | 32.20億円 | -20.5% | 36億円 | 該当なし |
| 純利益 | 23.49億円 | 24.37億円 | -3.6% | 26億円 | 該当なし |
| EPS | 283.24円 | 341.31円 | -17.0% | 313.46円 | 該当なし |
通期決算では会社計画欄に次期予想を置いているため、進捗率は該当なしとしています。前年比などが非開示の場合は、決算短信側で前年実績または増減率が示されていないことを意味します。
セグメント
当該決算短信に記載された事業別売上高とセグメント利益・損失は次のとおり。金額は百万円単位。
| 区分 | 売上高 | セグメント利益・損失 |
|---|---|---|
| 食品事業 | 82,288百万円 | 1,636百万円 |
| 海洋事業 | 21,813百万円 | 503百万円 |
| 機械事業 | 12,259百万円 | 966百万円 |
| 資材事業 | 8,506百万円 | 349百万円 |
| バイオティックス事業 | 309百万円 | 24百万円 |
| 物流事業 | 2,469百万円 | △120百万円 |
| その他 | 109百万円 | 148百万円 |
各区分の利益を合算した金額は、全社費用や連結調整を反映した営業利益とは一致しない。事業別の採算と連結利益は区別して読む必要がある。
財務安全性
財務安全性では、総資産810.92億円、純資産283.49億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率34.9%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF66.29億円、投資CF12.76億円、財務CF-72.82億円、現金及び現金同等物の期末残高76.58億円です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | -17.0% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 9% | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は1.6%、総資産経常利益率は3.2%です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
売上規模の確認
売上高は1277.56億円、前年比は+0.7%です。ただし増収でも利益が残っていません。ここはかなり冷たく見られます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は34.9%、純資産は283.49億円です。資本余力は、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
営業減益
営業利益は20.20億円で、前年同期比29.7%減です。減益要因が価格転嫁、数量、原価、人件費のどこにあるかが論点です。営業利益率は1.6%です。
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは66.29億円です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高1350億円、営業利益34億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
株価への示唆はやや冷たいです。増収でも営業利益が残らない決算は、短期資金が材料視しても長続きしにくい。会社計画の営業利益34億円に届くには、次の四半期で利益率の改善を見せる必要があります。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高1277.56億円(+0.7%)、営業利益20.20億円(-29.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益23.49億円(-3.6%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高1350億円、営業利益34億円、経常利益36億円、純利益26億円、EPS313.46円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。判断の根拠は、売上高1277.56億円、営業利益20.20億円、純利益23.49億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、ニチモウ、開示日: 2024-05-10