決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 522.47億円 | 454.77億円 | +14.9% | 680億円 | 76.8% |
| 営業利益 | 30.09億円 | 28.03億円 | +7.3% | 34億円 | 88.5% |
| 経常利益 | 27.99億円 | 27.14億円 | +3.1% | 33億円 | 84.8% |
| 純利益 | 20.06億円 | 16.35億円 | +22.7% | 23.50億円 | 85.4% |
| EPS | 49.67円 | 40.56円 | +22.5% | 58.22円 | 85.3% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
アステナHDはファインケミカル、HBC・食品、医薬、化学品の4報告セグメントとその他を開示しています。2026年11月期第3四半期累計の売上高は順に166億6,200万円、169億8,900万円、93億8,200万円、91億5,900万円、その他5,300万円。営業利益は9億8,400万円、3億400万円、8億9,700万円、8億9,400万円で、その他は1億7,400万円の損失でした。HBC・食品は池田物産グループ連結で増収、化学品は基板関連需要などで増益となる一方、HBC・食品は統合費用や広告費増で減益です。
財務安全性
財務安全性では、総資産747.84億円、純資産290.06億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率38.3%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +22.5% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は5.8%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業増益
営業利益は30.09億円で、前年同期比7.3%増です。増益幅に加え、営業利益率5.8%を次の四半期でも保てるかが見られます。
売上規模の確認
売上高は522.47億円、前年比は+14.9%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は38.3%、純資産は290.06億円です。資本余力は、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高680億円、営業利益34億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
業界動向との関連
アステナHDは4事業を展開し、化学品は売上高34.5%増・営業利益117.1%増、HBC・食品は池田物産グループの連結で増収となりました。買収寄与を含む売上の伸びと、既存事業の採算改善を分けて見る必要があります。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高522.47億円(+14.9%)、営業利益30.09億円(+7.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益20.06億円(+22.7%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高680億円、営業利益34億円、経常利益33億円、純利益23.50億円、EPS58.22円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。判断の根拠は、売上高522.47億円、営業利益30.09億円、純利益20.06億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2026年11月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、アステナHD、開示日: 2026-10-13