決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 97.89億円 | 86.53億円 | +13.1% | 374億円 | 26.2% |
| 営業利益 | 1.12億円 | 1.12億円 | -0.3% | 4.50億円 | 24.9% |
| 経常利益 | 2.14億円 | 1.96億円 | +9.1% | 6.40億円 | 33.4% |
| 純利益 | 1.68億円 | 1.60億円 | +5.1% | 4.40億円 | 38.2% |
| EPS | 102.98円 | 97.94円 | +5.1% | 268.73円 | 38.3% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
| 事業 | 売上高 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 卸売 | 95.91億円 | +13.4% | 1.04億円 | +2.2% |
| 冷蔵倉庫 | 1.34億円 | -2.0% | 0.53億円 | -11.5% |
| 不動産賃貸 | 0.63億円 | +8.6% | 0.45億円 | +13.6% |
卸売はマグロ、シラス、輸入養殖サケ、冷凍カニの取り扱いが伸びました。ただし増収率に対して営業増益率は小さく、粗利率の確認が必要です。冷蔵倉庫は外国貨物の減少と設備整備費で減益、不動産賃貸はマンション稼働と賃貸用土地取得で増収増益でした。各部門利益には全社費用などの調整前数値が含まれるため、単純合計は全社営業利益と一致しません。
財務安全性
財務安全性では、総資産183.35億円、純資産148.98億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率81.3%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +5.1% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は1.1%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
営業利益は1.12億円、前年比は-0.3%です。増益そのものより、営業利益率1.1%が次の四半期でも保てるかが見られます。
売上規模の確認
売上高は97.89億円、前年比は+13.1%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は81.3%、純資産は148.98億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高374億円、営業利益4.50億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高97.89億円(+13.1%)、営業利益1.12億円(-0.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益1.68億円(+5.1%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高374億円、営業利益4.50億円、経常利益6.40億円、純利益4.40億円、EPS268.73円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立です。マグロなどの取扱増と財務余力は好材料ですが、卸売の営業利益率は約1.1%で、冷蔵倉庫も設備費により減益でした。次回は粗利率、冷蔵設備費、通期営業利益4.50億円への進捗を確認します。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」、中部水、開示日: 2026-08-13