決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1127.04億円 | 997.38億円 | +13% | 4380億円 | 25.7% |
| 営業利益 | 31.64億円 | 5.64億円 | +460.1% | 60億円 | 52.7% |
| 経常利益 | 30.89億円 | 4.81億円 | +541.8% | 55億円 | 56.2% |
| 純利益 | 23.56億円 | 5.03億円 | +367.5% | 35億円 | 67.3% |
| EPS | 91.04円 | 19.5円 | +366.9% | 135.24円 | 67.3% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
同社は家電製品等の小売と付帯業務の単一セグメントで、品種別営業利益は開示していません。決算短信が開示する品種別売上は次のとおりです。
| 品種 | 売上高 | 前年同期比 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 家電 | 557.15億円 | +16.3% | 49.4% |
| 情報通信 | 261.64億円 | +2.8% | 23.2% |
| その他 | 308.24億円 | +16.8% | 27.4% |
家電ではエアコンが212.12億円と39.3%増えました。その他ではゲーム・模型・玩具・楽器が161.04億円(18.7%増)、修理・工事収入が73.61億円(19.7%増)でした。一方、パソコンは13.6%減少しています。
財務安全性
財務安全性では、総資産2376.46億円、純資産1065.63億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率44.8%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF158.44億円、投資CF-4.80億円、財務CF-58.21億円、現金及び現金同等物の期末残高140.72億円です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +366.9% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は2.8%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
営業利益は前年同期5.64億円から31.64億円へ増え、営業利益率は0.6%から2.8%へ改善しました。エアコンの前倒し需要が利益率改善へどこまで寄与したかは次四半期の反動と併せて確認します。
売上規模の確認
店頭販売は928.97億円で15.7%増、インターネット販売は188.72億円で4.8%増でした。店頭構成比は82.4%へ上昇し、2店舗を出店して期末店舗数は219店舗となりました。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は44.8%、純資産は1065.63億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業CFは158.44億円で、前年同期32.76億円から大きく増加しました。仕入債務67.70億円の増加、売上債権53.51億円の減少など運転資本要因も含むため、通期の現金創出力へ単純に延長はできません。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高4380億円、営業利益60億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
通期営業利益計画60億円に対する進捗率52.7%は高水準です。ただしエアコンの需要前倒しを含むため、夏商戦後も白物家電と修理・工事収入が利益率を支えられるかが株価評価の確認点です。
今期の総括
今期は売上高1127.04億円(+13%)、営業利益31.64億円(+460.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益23.56億円(+367.5%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高4380億円、営業利益60億円、経常利益55億円、純利益35億円、EPS135.24円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。営業利益率2.8%への改善と進捗率52.7%は堅調ですが、エアコン前倒し需要の反動が残ります。次回はエアコン販売、情報通信の回復、店頭・ECの伸び、営業CFの運転資本要因を確認します。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、Joshin、開示日: 2026-08-04