決算サマリー
金融機関のため、一般事業会社の売上高や営業利益ではなく、経常収益、経常利益、親会社株主に帰属する純利益を中心に見る。
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 経常収益 | 2兆8504億円 | 2兆4444億円 | +16.6% | 非開示 | 該当なし |
| 経常利益 | 6931.36億円 | 4833.37億円 | +43.4% | 非開示 | 該当なし |
| 純利益 | 5013.72億円 | 3768.98億円 | +33.0% | 1兆7000億円 | 29.5% |
| EPS | 131.62円 | 97.46円 | +35.1% | 223.58円 | 58.9% |
| 株主資本 | 16.24兆円 | 15.93兆円 | +1.9% | 非開示 | 該当なし |
会社が開示する通期予想は純利益とEPSであり、経常収益・経常利益の通期計画は開示されていない。EPS予想は2026年9月末を基準日とする1株2株の株式分割を考慮しているため、進捗率の単純比較には注意がいる。
セグメント
決算短信本文では比較可能な事業別セグメント損益を開示していない。銀行、カード・コンシューマーファイナンス、証券、リースなどの事業別評価は、同日公表の決算補足資料と整合させる必要があるため、短信だけから利益を推定配分しない。
財務安全性
総資産は327.47兆円、株主資本は16.24兆円、簡易的な株主資本比率は5.0%である。金融機関では一般事業会社の自己資本比率ではなく、規制資本、流動性、預金基盤、信用コスト、リスクアセットの動きが本筋になる。営業キャッシュ・フローは非開示、現金及び現金同等物は非開示だが、製造業型の資金繰り指標としては読まない。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +35.1% | 前年同期比 | 株式分割前の当期実績同士で比較した。 |
| 株主資本比率 | 5.0% | 株主資本÷総資産の簡易値 | 銀行の正式な自己資本比率ではなく、資本の厚みを見る補助線である。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 市場データ未取得 | 株価評価には別途株価と市場倍率の確認が必要である。 |
金融機関では、ROICや営業利益率よりも、信用コスト、利ざや、資本規制、還元余力を分けて見る必要がある。
ポジティブ要因
純利益の進捗
純利益は前年同期から1244.74億円増え、5013.72億円となった。通期計画1兆7000億円への進捗率は29.5%である。
経常利益の伸び
経常利益は前年同期比43.4%増の6931.36億円となった。純利益の伸びを上回っており、税負担や特別損益を含めた差を切り分けて確認したい。
貸出金と預金基盤
総資産は327兆4695億円、純資産は16兆2407億円となった。短信上の自己資本比率は4.9%だが、正式な規制自己資本比率とは異なる。
リスク要因
信用コスト
短信の主要表だけでは信用コストの内訳を確認できない。国内外の与信費用が増える場合、金利収益の改善が純利益へ残りにくくなる。
市場関連損益の振れ
外国為替売買損益は非開示、トレーディング勘定損益は非開示、投資有価証券勘定損益は非開示である。項目間の振れが大きい場合、継続的な利益と一時要因を分けて読む必要がある。
会計基準差と開示範囲
2026年9月末を基準日に1株を2株へ分割する予定である。配当予想とEPS予想には分割前後の表示が混在するため、前年値との単純比較に注意が必要となる。
業界動向との関連
金融株は金利上昇局面で評価されやすい一方、その期待がすでに株価に織り込まれていることもある。ここからは利ざやだけでなく、信用コスト、海外与信、債券評価損益、資本還元の追加余地が見られる。
株価への示唆
株価への示唆は強気寄りである。純利益の進捗29.5%は堅調だが、金融株では金利メリットだけでは評価が続きにくい。信用コストを抑え、規制資本を維持しながら還元余力を示せる場合は再評価につながりうる。反対に、与信費用や市場関連損益が悪化すれば、増益でも反応は鈍くなりやすい。
今期の総括
今期は経常収益2兆8504億円、経常利益6931億円、純利益5013億円、EPS131.62円となり、利益面は強い。次回は信用コスト、市場関連損益、規制資本の動きと通期計画の上振れ余地を確認したい。
来期見通し
通期純利益予想は前期比7.4%増の1兆7000億円で据え置かれた。予想EPSは株式分割と自己株式取得の影響を考慮した223.58円である。年間配当予想は分割前換算180円を維持している。
総合判断
総合判断は強気である。最終利益とEPSは強いが、金融機関では信用コスト、規制資本、市場関連損益の振れを同時に見る必要がある。金利メリットだけでなく、利益の質と還元余力が次の評価軸になる。
出典
- 三井住友「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、開示日: 2026-07-31