決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 経常収益 | 388.21億円 | 236.72億円 | +63.9% | 1,270億円 | 30.6% |
| 経常利益 | 84.18億円 | 57.20億円 | +47.1% | 302億円 | 27.9% |
| 純利益 | 46.90億円 | 41.72億円 | +12.4% | 195億円 | 24.1% |
| EPS | 48.01円 | 42.04円 | +14.2% | 非開示 | 該当なし |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
銀行業の経常収益は363.30億円、セグメント利益は89.28億円でした。リース業は経常収益27.82億円、セグメント利益0.03億円、信用保証業は経常収益3.48億円、セグメント利益3.05億円です。銀行業の伸びが連結増益をけん引しました。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +14.2% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
銀行では一般事業会社の営業利益率ではなく、資金利益、役務取引等利益、与信費用、自己資本比率などを確認します。今回の増収は貸出金利息と有価証券利息配当金の増加が主因です。
ポジティブ要因
資金運用収益の増加
貸出金利息と有価証券利息配当金の増加により、経常利益は84.18億円へ伸びました。貸出金残高も前期末比71億円増の4兆3,159億円です。
通期予想を上方修正
通期予想は経常収益1,270億円、経常利益302億円、純利益195億円へ修正されました。第1四半期の純利益進捗率は24.1%です。
財務基盤
総資産は5兆6,159.75億円、純資産は2,744.82億円です。短信記載の自己資本比率4.8%は一般的な総資産比率であり、銀行規制上の自己資本比率とは異なります。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
預金利息を主因に資金調達費用も増加しました。市場金利の上昇が貸出金利回りと預金調達コストの双方に及ぼす影響を見極める必要があります。
販売数量・コスト前提の変動
貸出金の増加と利ざや改善は追い風ですが、与信費用、有価証券評価損益、債券ポートフォリオの金利感応度が利益の変動要因です。
市場評価の変動可能性
金利上昇による利ざや改善は評価材料ですが、通期予想の上方修正が株価に織り込まれた後は、資金利益の持続性と与信費用の動きが重視されます。
財務安全性
主要勘定は、貸出金4兆3,159億円、有価証券9,803億円、預金5兆1,703億円です。総資産に対する自己資本比率は4.8%ですが、健全性の判断では別途、国内基準の自己資本比率や不良債権比率を確認する必要があります。
業界動向との関連
国内金利の上昇は地方銀行の貸出利回り改善につながる一方、預金金利の引き上げと保有債券の評価変動も伴います。武蔵野銀行では、貸出金利息と有価証券利息配当金の増加が先行して利益を押し上げました。
株価への示唆
第1四半期の増益と通期上方修正は好材料です。一方、銀行株の評価は金利シナリオ、与信費用、株主還元に左右されるため、次回は資金利益の伸びと国内基準自己資本比率を確認したいところです。
今期の総括
資金運用収益の増加を軸に、経常利益は47.1%増となりました。自動抽出では経常利益と純利益、EPSを混同しやすい銀行決算ですが、純利益は46.90億円、EPSは48.01円です。
来期見通し
通期予想は経常収益1,270億円、経常利益302億円、純利益195億円、EPS202.17円です。2026年4月1日付の1株を3株とする株式分割を反映した数値です。
総合判断
経常利益47.1%増と通期予想の上方修正はポジティブです。ただし、資金調達費用や与信費用、有価証券ポートフォリオの変動もあるため、金利上昇の恩恵が年間を通じて純利益へつながるかを見極める局面です。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 武蔵野銀行「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、2026年7月30日