決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 経常収益 | 639.75億円 | 454.10億円 | +40.8% | 非開示 | 該当なし |
| 経常利益 | 317.89億円 | 176.46億円 | +80.1% | 895億円 | 35.5% |
| 純利益 | 222.04億円 | 122.89億円 | +80.6% | 615億円 | 36.1% |
| EPS | 99.52円 | 55.20円 | +80.3% | 275.66円 | 36.1% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
報告セグメントは銀行業務のみで、リースなどのその他事業は重要性が乏しいため数値開示を省略している。経常収益は貸出金利息と有価証券利息配当金、株式等売却益の増加で前年同期比40.8%増となった。
財務安全性
総資産は10兆5,147億円、純資産は7,576億円となった。預金は8兆9,998億円、貸出金は6兆6,839億円、有価証券は3兆235億円で、いずれも前期末から増加した。短信記載の自己資本比率7.2%は銀行規制上の自己資本比率とは異なるため、単純な一般企業基準では評価しない。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +80.3% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 四半期短信 | 通期換算は季節性や売却益の影響があるため行わない。 |
| ROIC | 対象外 | 銀行業 | 銀行は資金運用・調達構造が異なるため、一般企業型ROICを用いない。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
経常利益は80.1%増、EPSは80.3%増となった。資金利益の増加に加えて株式等売却益も寄与しており、基礎収益と市場性収益を分けて確認する必要がある。
ポジティブ要因
資金運用収益の増加
貸出金残高と利回りの上昇で貸出金利息が増え、有価証券利息配当金も増加した。資金利益は決算説明資料で前年同期比18.9%増とされている。
株式等売却益の寄与
株式等売却益の増加でその他経常収益が伸び、経常利益は前年同期比141.43億円増加した。一時性を含むため、次四半期以降の再現性は分けて見る。
貸出金の増加
大企業向け貸出の増加により貸出金は前期末比800億円増の6兆6,839億円となった。利息収入の基盤拡大につながる一方、信用コストの推移も併せて確認したい。
リスク要因
預金利息と債券損益
金利上昇で預金利息が増え、国債等債券売却損も増加した。貸出・有価証券利回りの改善が調達費用と債券損益の悪化を継続的に上回るかが焦点となる。
市場性収益の変動
株式等売却益は相場環境と保有株式の売却方針に左右される。第1四半期の増益を通期へ単純に延長せず、資金利益と役務取引等利益の伸びを確認する必要がある。
信用コスト
貸出金が増える局面では、貸倒引当金や与信費用の変化が利益を左右する。景気減速や取引先の財務悪化が顕在化した場合、業績予想の下振れ要因となる。
業界動向との関連
国内金利の上昇は貸出金利息の増加要因となる一方、預金金利と債券評価・売却損益にも影響する。地方銀行では資金利益、信用コスト、政策保有株式の売却益を切り分けた比較が必要である。
株価への示唆
第1四半期の利益進捗は経常利益35.5%、純利益36.1%と順調だが、株式等売却益を含む。資金利益の拡大が続き、調達費用や債券損益を吸収できる場合は通期計画への信頼が高まりやすい。市場データ未取得のため、PER・PBRによる株価試算は行わない。
今期の総括
経常利益317.89億円、純利益222.04億円と大幅増益だった。貸出金利息・有価証券利息配当金の増加に加え、株式等売却益も寄与しているため、増益の質は資金利益と市場性収益に分けて評価したい。
来期見通し
通期予想は経常利益895億円、純利益615億円、EPS275.66円で据え置いた。第1四半期の進捗率はそれぞれ35.5%、36.1%で、会社は概ね計画どおりとしている。今後は資金利益の伸びと債券・株式損益の振れを確認する。
総合判断
総合判断は中立である。資金利益の増加と35%超の利益進捗は前向きだが、株式等売却益の寄与が大きく、預金利息と債券売却損も増えている。次回は顧客向けサービス業務利益、信用コスト、通期計画に対する進捗を確認したい。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、七十七銀、開示日: 2026-07-31