決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 通期会社予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 経常収益 | 74.11億円 | 61.37億円 | +20.7% | 非開示 | ― |
| 経常利益 | 11.67億円 | 9.87億円 | +18.2% | 14.00億円 | 83.4% |
| 純利益 | 8.23億円 | 6.29億円 | +30.7% | 10.50億円 | 78.4% |
| EPS | 154.31円 | 118.16円 | +30.6% | 196.81円 | ― |
金額は公式の百万円表示を億円へ換算。増減率は開示値を基本とし、EPSなどの計算値は表示値からの概算。進捗率は累計実績を会社の通期予想で割った単純計算で、1株値は株式分割の影響があるため進捗を示していない。純利益は親会社に帰属する利益を用いる。
7〜9月単独の経常収益は約36.85億円、経常利益は約6.61億円。前四半期比(QoQ)はそれぞれ-1.1%、+30.6%。累計開示の差額に基づく概算で、季節性や費用計上時期を含む。
セグメント
銀行業務を中心とし、経常収益・経常利益を用いて業績を示している。本短信には事業別の収益・利益の内訳がなく、以下は預金・貸出金などの主要勘定を示す。
預金は5,229.93億円で前期末から114.48億円増。貸出金は3,782.68億円で36.48億円減、有価証券は1,449.69億円で93.77億円増となった。預金獲得だけで貸出量の拡大や利ざや改善が確定したとはいえない。
財務安全性
総資産5,720.30億円、純資産319.64億円。会計上の自己資本比率は5.5%。銀行の規制上の自己資本比率とは異なる。預金は負債であると同時に営業の資金基盤で、一般企業の借入とは性格が異なる。
経常費用は62.44億円で、経常収益74.11億円との差が経常利益11.67億円となる。
今回の短信で当該期の営業・投資CFをそろえて確認できないため、キャッシュ・フローの数値評価は行っていない。現金預金の期末残高の変化だけから営業CFを逆算せず、次の資金収支開示と合わせて判断する。
2026年9月30日時点の発行済株式数は5,444,400株、自己株式数は102,653株。EPSに用いる期中平均株式数とは異なるため、期末残高から計算した1株利益と一致するとは限らない。
定量評価
EPSは154.31円、前年同期は118.16円で、比較は+30.6%。利益総額の変化だけでなく、期中平均株式数や自己株式の変化にも影響される。経常収益は有価証券関連収益も含み、一般企業の営業利益率とは比較しない。
| 指標 | 確認できる範囲 |
|---|---|
| EPSの前年同期比較 | +30.6%。株式分割・自己株式の条件を確認 |
| ROIC | この短信から当該期間の同一条件の開示値を確認できず、推計しない |
| PER推移 | 同時点の株価を確認していないため算定しない |
通期経常利益予想が14.00億円のため、会社計画に届くには残る期間で約2.33億円が必要となる。これは会社予想から累計実績を引いた計算であり、残る四半期の予想値を新たに示すものではない。期間の長さや季節性を無視して同じ利益が続くとは見込まない。
ポジティブ要因
経常収益は前年から12.74億円増えたのに対し、経常費用の増加は10.94億円にとどまった。純利益は8.23億円と前年の6.29億円を上回る。金利環境を収益へ取り込んでいるが、増益の持続性は運用利回りと預金金利の差を確認する必要がある。
リスク要因
預金調達金利の上昇は費用を増やし、有価証券残高の増加は金利変動への感応度にも関わる。信用費用や地域企業の資金需要の変化にも左右される。会計上の自己資本比率5.5%を、規制上の自己資本比率や健全性基準と混同しない。
業界動向との関連
地方銀行では貸出金利の上昇が追い風になる一方、預金への金利転嫁や有価証券の評価が利益を左右する。富山銀行は貸出残高が前期末を下回っており、金利上昇と貸出数量の変化を一つの成長要因として扱わない方が実態を捉えやすい。
株価への示唆
通期経常利益14億円、純利益10.50億円の予想は変更していない。中間の利益進捗は高いが、下期の信用費用や有価証券関連損益を保証しない。次回は貸出残高、調達コスト、有価証券の評価・売却損益と本業利益の差を見たい。
今期の総括
運用収益の増加は確認できる。ただし、資金調達費用も増えており、増益率だけで利ざや拡大を断定できない。金利上昇を評価する場合も、貸出の数量、信用費用、債券の損益を合わせて確認する中立の判断とした。
来期見通し
2027年3月期の会社予想は、経常収益非開示、経常利益14.00億円、純利益10.50億円。予想は今回の公表時点の前提に基づくもので、受注、需要、原価、資金調達環境などで変わり得る。中間配当は27.5円実績。期末は27.5円予想。年間は55円予想。
総合判断
中立。運用収益の増加は確認できる。次回は貸出残高、調達コスト、有価証券の評価・売却損益と本業利益の差を見たい。
出典
- 富山銀行 公式IR・決算資料:2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信[日本基準](連結)、2026年11月6日。