決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 経常収益 | 379.37億円 | 218.49億円 | +73.6% | 1,176億円 | 32.3% |
| 経常利益 | 83.26億円 | 53.17億円 | +56.5% | 260億円 | 32.0% |
| 純利益 | 58.09億円 | 37.77億円 | +53.7% | 176億円 | 33.0% |
| EPS | 149.43円 | 95.83円 | +55.9% | 452.69円 | 33.0% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
| セグメント | 経常収益 | 前年同期 | 経常利益 | 前年同期 |
|---|---|---|---|---|
| 銀行業 | 334.76億円 | 173.90億円 | 80.56億円 | 51.89億円 |
| リース業 | 45.80億円 | 45.75億円 | 2.72億円 | 1.27億円 |
銀行業は貸出金・有価証券利息、株式等売却益、アセットスワップ解約益が増え、経常利益は28.66億円増加した。リース業も与信関連費用の減少により経常利益が1.44億円増加した。連結経常利益83.26億円との差はセグメント間取引の調整による。
財務安全性
総資産は4兆2,148億円、純資産は4,143億円となった。預金は前期末比546億円増の3兆4,734億円、貸出金は192億円増の2兆5,406億円、有価証券は117億円増の1兆1,908億円である。短信記載の自己資本比率9.8%は銀行規制上の自己資本比率とは異なる。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +55.9% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 四半期短信 | 通期換算は市場性収益の変動を含むため行わない。 |
| ROIC | 対象外 | 銀行業 | 一般企業型ROICではなく、資金利益・信用コスト・規制自己資本を見る。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
経常利益は56.5%増、EPSは55.9%増となった。ただしアセットスワップ解約益と株式等売却益を含むため、利益の持続性は資金利益と役務収益を分けて見る必要がある。
ポジティブ要因
銀行業の増益
銀行業の経常利益は80.56億円と前年同期から28.66億円増加した。貸出金利息と有価証券利息配当金の増加が基礎収益を押し上げた。
利益進捗
通期計画に対する進捗率は経常利益32.0%、純利益33.0%となった。会社は通期予想を据え置いている。
リース業の改善
リース業は経常収益45.80億円と横ばいだったが、与信関連費用の減少により経常利益は2.72億円へ増加した。
リスク要因
市場性収益の反動
アセットスワップ解約益と株式等売却益は市場環境や売却判断で変動する。第1四半期の増益率を通期へ単純に延長しない方がよい。
調達費用と債券損益
預金利息と国債等債券売却損が増え、経常費用は前年同期比130.79億円増加した。運用収益の伸びが調達費用と債券損益の悪化を上回るかが焦点となる。
信用コスト
貸出金は前期末から192億円増加した。事業性貸出の拡大が利息収入に寄与する一方、景気悪化時には与信費用の増加要因となる。
業界動向との関連
国内金利の上昇は貸出金利息の追い風となる一方、預金金利や債券評価・売却損益も動かす。地方銀行の比較では資金利益、信用コスト、政策保有株式売却益の内訳が重要になる。
株価への示唆
利益進捗は3割を超えたが、一時性のある市場性収益も寄与した。貸出金利息の増加が続き、預金利息・債券損益・信用コストを吸収できる場合は通期計画への信頼が高まりやすい。市場データ未取得のため、PER・PBRによる試算は行わない。
今期の総括
経常利益83.26億円、純利益58.09億円と増益を確保した。貸出金・有価証券利息の増加に加え、解約益と株式等売却益も寄与しているため、次四半期は資金利益の伸びと市場性収益の反動を確認したい。
来期見通し
通期予想は経常収益1,176億円、経常利益260億円、純利益176億円、EPS452.69円で据え置いた。第1四半期の進捗率は利益ベースで32~33%だが、会社は経済・金融情勢の不透明感を踏まえて予想を変更していない。
総合判断
総合判断は中立である。貸出金利息の増加と利益進捗は前向きだが、解約益・株式等売却益の寄与があり、預金利息と債券売却損も増えた。次回は資金利益、信用コスト、市場性収益を切り分けて通期計画の確度を確認したい。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年3月期 第1四半期決算短信[日本基準](連結)」、阿波銀、開示日: 2026-07-31