株式会社豊和銀行 8559 / 2008年3月期第2四半期決算 経常収益 64.3億円 / 経常利益 -7.4億円 純利益 非開示 自己資本比率 +3% 信用コスト 非開示 ✓ 貸出金 3598.5億円 ✓ 預金 339.8億円 ⚠ 与信費用と不良債権 ⚠ 債券評価損益と地域景気

決算サマリー

銀行のため、一般企業の売上高・営業利益ではなく、経常収益・経常利益・純利益を掲載する。

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
経常収益64.3億円68.7億円-6.4%非開示該当なし
経常利益-7.4億円5.5億円-234.7%148億円該当なし
純利益非開示非開示比較困難16億円該当なし
EPS6870.06円6427円+6.9%25円該当なし

通期予想が確認できる場合も、通期実績記事の進捗率は比較対象が次期計画となるため該当なしとした。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率+6.9%前年同期比普通株主に帰属する利益の変化を見る。
自己資本比率+3%前期末+2.4%決算短信記載値であり、銀行法上の自己資本比率とは異なる。
PER推移市場データ未反映過去レンジ未確認株価評価には別途市場データが必要である。

銀行ではROICや営業利益率を機械的に当てはめず、資金利益、信用コスト、規制資本を優先して見る。

ポジティブ要因

経常収益と経常利益

経常収益は64.3億円(前年比-6.4%)、経常利益は-7.4億円(同-234.7%)となった。利益の方向が収益の増減と整合しているかが本業を見る入口になる。

貸出金と預金基盤

貸出金は3598.5億円、預金は339.8億円である。地域金融機関では、預金基盤を維持しながら貸出残高と利ざやを確保できるかが収益の持続性を左右する。

資本の厚み

総資産は4891.5億円、純資産は148.1億円、決算短信上の自己資本比率は+3%である。正式な規制自己資本比率とは区別が必要だが、前期末との変化は損失吸収余力を見る補助線になる。

リスク要因

信用コスト

貸倒引当金繰入額は非開示、前年は非開示である。貸出先の業況悪化で与信費用が増えると、金利上昇による利ざや改善を打ち消すことがある。

有価証券損益

地方銀行は国債・地方債・株式などの保有有価証券があり、金利や株価の変動が売却損益、評価差額、自己資本へ波及する。経常利益の増減が本業の利ざやだけによるものかを分けて確認したい。

地域経済への集中

主要営業基盤である大分県の企業業績、人口動態、設備投資、倒産動向が貸出需要と信用コストに影響する。地域密着は顧客基盤になる一方、地理的な集中リスクも伴う。

財務安全性

総資産は4891.5億円、純資産は148.1億円、決算短信上の自己資本比率は+3%である。営業キャッシュ・フローは-155.3億円、現金及び現金同等物は339.8億円だが、銀行の営業CFは預金・貸出の増減で大きく振れるため、一般企業の資金繰り指標と同じ読み方はしない。規制自己資本比率、不良債権比率、預貸率と合わせた確認が必要である。

業界動向との関連

国内金利の上昇は貸出利回りの改善要因になるが、預金金利の上昇や債券評価損も同時に発生する。地方銀行株では、利ざやの改善が信用コストと有価証券損益を上回るかが市場評価を左右する。

株価への示唆

総合判断は中立寄りである。経常利益は前年比-234.7%、純利益は同比較困難だが、利益の持続性は資金利益、信用コスト、有価証券損益の内訳次第で変わる。市場データを取得していないため理論株価は算定しない。自己資本を保ちながら利益と普通株配当を維持できる場合は評価を支えやすいが、与信費用や債券損失が増える場合は下押し要因になる。

今期の総括

2008年3月期第2四半期決算は、経常収益64.3億円、経常利益-7.4億円、純利益非開示となった。一般企業型の営業利益率ではなく、貸出・預金、信用コスト、有価証券関連損益が利益にどうつながったかを確認する決算である。

来期見通し

会社開示で確認できる通期予想は経常利益148億円、純利益16億円、EPS25円である。非開示の場合は予想を補わない。達成度は貸出利回り、預金調達費用、信用コスト、有価証券損益の前提に左右される。

総合判断

総合判断は中立である。経常利益-234.7%、純利益比較困難という方向に加え、自己資本比率+3%と信用コストを合わせて評価した。次回は利ざや、与信費用、規制自己資本、普通株配当の持続性を確認する。

出典

  • 株式会社豊和銀行「2008年3月期 平成20年3月期 中間決算短信」、開示日: 2007-11-13