決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 21.44億円 | 19.98億円 | +7.3% | 83億円 | 25.8% |
| 営業利益 | 1.14億円 | 0.61億円 | +86.7% | 2.80億円 | 40.7% |
| 経常利益 | 1.21億円 | 0.61億円 | +97.2% | 3億円 | 40.3% |
| 純利益 | 0.75億円 | 0.35億円 | +111.4% | 1.90億円 | 39.5% |
| EPS | 101.47円 | 48円 | +111.4% | 254.63円 | 39.8% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
主力は貨物運送を中心とする物流事業で、その他事業は全社に占める金額が小さいため単一セグメントとして開示されている。新規開発と既存顧客からの依頼増で営業収益は21.44億円へ増え、輸送効率の改善も加わって経常利益は1.21億円へ97.2%増加した。
財務安全性
財務安全性では、総資産100.02億円、純資産68.93億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率68.9%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +111.4% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は5.3%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
荷量増と輸送効率改善
新規顧客の開拓と既存顧客からの依頼増に加え、輸送効率が改善した。営業利益は1.14億円へ86.7%増え、増収率7.3%を上回る利益成長となった。
売上規模の確認
売上高は21.44億円、前年比は+7.3%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は68.9%、純資産は68.93億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
売上債権の増加
第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は非作成である。受取手形・営業未収入金は前期末比1.06億円増の14.43億円となっており、増収分が回収へ移るかを次の開示で確認したい。
燃料・人件費
物流業では原油価格、人件費、車両維持費の上昇が採算を左右する。通期営業利益予想2.80億円に対する進捗は40.9%だが、四半期ごとの荷量や費用の偏りを考慮する必要がある。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高21.44億円(+7.3%)、営業利益1.14億円(+86.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益0.75億円(+111.4%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高83億円、営業利益2.80億円、経常利益3億円、純利益1.90億円、EPS254.63円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。判断の根拠は、売上高21.44億円、営業利益1.14億円、純利益0.75億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」、大宝運、開示日: 2026-07-31